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2012/02/21

◆世界市場を散々かき回してきたギリシャ債務問題だが、EU財務相会合は21日、第2次金融支援策で合意。1300億ユーロ(約13.65兆円)を追加することで決定したと発表した。が、日経平均は前日比22円安の9463円と3日ぶりに小反落した。円は対ドルで13日続落、対ユーロでは昨年11月以来の安値を付けたものの、ギリシャ支援策が既定の線であったことや、なお、道は遠く、紆余曲折が予想されることから、輸出関連株や金融関連株などに利益確定売りが広がる展開となった。そして、前日に続き終値では9500円台を守ることはできなかった。

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◆今回の決定で、3月20日に予定されているギリシャの国債償還はクリアできよう。しかし、21日までかかった会合では、追加融資する代わりに、ギリシャは「政府債務の対国内総生産(GDP)比率を現在の約160%から2020年までに120.5%まで低下させる」ことも決定した。一部の国は、今回の支援策に合意しなかった場合の結果を考えれば、ここはいったん同意した方がコストは低く抑えられるとふんだため賛成したとの報道も。そして、ギリシャは公務員削減など債務削減策を実行できるのか?とか、ギリシャは20年時点での目標達成に困難との試算、などとも報じられる・・悲哀。また、今回の案に賛成したフランスだが、リスクは、4月の大統領選挙でサルコジ現大統領苦戦との声が強いことだとの指摘、ドイツも万全ではないとも・・。

◆米NYダウは既に、昨年5月高値1万2876ドルを突破。リーマン・ショック以前の07年10月の過去最高値(終値ベース)1万4164ドルさえうかがう格好となっている。今回の世界同時株高は、「超金融緩和」が背景だ。日本、欧州もまた未曾有の緩和政策の元、景気はそこそこ順調で、相場を後押ししてきた。ギリシャ債務危機問題で世界株式相場はブレーキが効いてきたことから脱線するほど上がっていないとの見方があるが、過剰流動性相場と捉えて斜に構えるべきか・・?

◆当欄注目株で、前日にかけ株価水準が大幅に上がったナブテスコ(6268)だが、この日は連動性の高いファナック(6954)の下げもあって、利益確定売りに急反落。●一方、内需関連セクターはこの日、業種別指数で値上がり上位組となった。ライト工(1926)など震災復興関連株がそうだ。また、マクドナルド(2702)は2110円と昨年12月27日以来の高値を付け、週足ベースの中期上昇基調を一段づつ上がっている格好だ。●大塚HD(4578)もまたこの日、一度だが2200円にタッチ。「統合失調症薬」が主力で「ポカリスエット」など機能性食品も展開する同社の利益2ケタ成長、PER割安感の強さを背景に、株式上場後初の本格的相場を期待し、2200円台の上値関門を前にしたここも強気で攻めたい。 

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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