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2006/03/10

◆昨年9月に7年半ぶりに日本橋、茅場町にある今の会社に勤め始めてから半年がたとうとしている。本欄のアップデイト時間がすっかり遅れてしまった原因でもあるが、茅場町の地下鉄ホームに立つたびに、かつて反対側ホームに今は行方が知れない友人が立っている幻が浮かぶ。この半年、街の中で見知った顔に出会ったのはほんのわずかでしかない。リストラの嵐のなかで兜町を去っていったのだ。いまは、知らない若い人たちが街を通り過ぎていく。かつて行き着けだった喫茶店や居酒屋などもほとんどはなく、知らないビルに変わっている。ただ、株価ボードとにらめっこした時だけこの街に戻ってきたことが実感できる。老いは駆け足でやってきそうだ。

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◆さて、日銀の量的金融緩和政策の解除決定を受け、小泉、竹中ラインなどがいろいろ難くせをつけているが、自分都合の主張が聞き入られなかった腹いせに過ぎない。株価は、異常な金融状況から通常のレベルに戻ろうとしている流れを歓迎したから、きのう、きょうの続騰につながったのにほかならない。つまり、解除を決定はしたが、ゼロ金利解除までには一定の時間を予定している。また、ゼロ金利解除後も無担保コールの誘導目標水準を急速に引き上げることはない。そして、金融政策運営に機動性が担保されたことなどが、株式市場に「よし」とされたから、買いが先行する展開となったのだ。また、難くせをつけて目立とうする政治家に大口をたたかせないために、日銀は金融市場の動向を見定めつつ慎重だが漸進的に金融政策を遂行していくとみている。

◆欧米を中心に金利は上昇基調にある。10日に発表される米・雇用統計で、非農業部門雇用者数が拡大した時、米金利への上昇圧力は高まる。米国株は昨年来のもみあい相場から脱しきれないでいるだけに気にはなる。一方、平均株価やTOPIXは三尊天井をうつ可能性が高まったとみていた。そして、1万7000円に攻め込むには日柄調整が足りない・・とみていた。しかし、「年明け以降、2カ月半近く高値圏での日柄調整が続いており、日柄調整は相当進んでいる」とみても良いチャートとなっていることに改めて気づかされた。東京ではデフレ終焉の始まりを買う相場が展開したが、週明け以降も、上値試す動きが続きそうだ。■きょうも住友不(8830)が2月につけた上場来高値を10円だが上回る3010円まで買われるなどデフレ脱却の象徴ともいえる不動産株が続伸した。不動産株価指数のチャートが好転してきた。相当株価水準は上がっているが、住友不を中心に好人気が続きそうだ。

◆携帯電話のシステム開発を手掛けるコネクト(3736・マザ)がストップ高となった。引き続き40万円台に下げたところを拾っていきたい。◎テルモ(4543)も昨年来高値を更新した。次ぎは2000年4月高値3850円に挑戦する展開に発展するとみて突っ込みは拾いたい。◎東邦チタン(5727・東2)は金や原油など国際商品市場の反落が気になるが、チタン・インゴットの増産計画に注目し見直し買いを入れたい。◎ノンバンク株も反騰に転じている。なかで、合併が相次ぎ業績拡大が急なUFJニコス(8583)はまだ正当評価しきれていない。テクニカル面は好転しており、ここは腰を落ち着けて拾っていきたい。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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