2008/10/20
◆20日夕方公表された「10月の月例経済報告」では、景気の現状は「弱まっている」に修正、景気の下降基調が一段と鮮明になっているとした。個人消費、輸出、生産、業況判断、倒産、雇用情勢を下方修正したが、6項目の下方修正は1998年4月以来10年半ぶりのこと。先行きについても厳しい見方を強めた。同じく、日本銀行が20日午後発表の「地域経済報告」でも、足元の景気は「全体として停滞している」とし、今年7月の前回報告の情勢判断を下方修正した。全9地域が判断を下方修正しており、これは、報告書が作成された2005年4月以来初めてのことだ。
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◆20日、日経平均株価は続伸し終値で3日ぶりに900円台を回復。アジア・太平洋株式市場の星取表は11勝3敗(台湾、フィリピン、ベトナム)1停止?(パキスタン)と堅調だった。連日の厳しい状況から、「風の谷間のしばしの休息期」を迎え、上値を試す動きにはいった感もある。前週末米国株の下げ幅が限定的だったこと、世界的な短期金利の低下を受け、24時間取引の米国株先物が堅調だったこと、さらに、韓国がアジアで最大規模の金融安定化策を発表したことから、20日のNYダウやナスダック高を先取る格好で先物が主導、買い戻しや値ごろ感からの買いが優勢となった。■日経新聞がパナソニック(6752)の9月中間連結営業利益を減益予想から一転増益確保、新日鉄(5401)とJFEHD(5411)の経常利益はともに従来予想を上周りそうだ・・などと報じ、企業業績予想に対する悲観が和らいだことも追い風となった。
◆前号紹介の低価格イタリアンレストランチェーンのサイゼリヤ(7581)が続伸。1507円まで買われ、1月8日以来の1500円台回復場面もあった。しかし、大引け後、検査結果が出る前に547店舗で店頭に出されて消費されたピザ生地から微量の有毒物質メラミンを検出したと発表したことから、せっかくの逆行高チャートも、21日以降は厳しい展開に転じそうだ。ただ、前号に、「週明け高となれば利益確定売りを先行すべきか」と記したことは言い逃れにはなれるが、何たることか・・。
◆一方、同じく前号で、「フラストレーションがたまった目先資金にはクリスマス・プレゼント相場?小口の思惑買いは可!」とした低位株プリマハム(2281)は、7円高の151円まで買われ、4日連続で年初来高値を更新した。1月に75円まで売られ、03年11月以来ほぼ4年ぶり安値を基点に反転。9月第1週には26週移動平均線が52週線を上抜くゴールデンクロスを示現、上昇基調入りを示唆。今月15日に6月5日につけた年初来高値138円を更新したことで、100円台前半の保ち合い相場を抜け出し、上昇基調入りが鮮明化した。同社筆頭株主は39%を保有する伊藤忠(8001)。商社は資源開発、食料確保に潤沢な資金が必要だが、金融収縮のこの時、持ち株上昇の思惑が入る余地大となる?
◆20日の欧米株が大幅高となったことを受け、主力組である輸出関連株の自律反騰が急となりそうだ。前号では、「3000円台は長期で買い」も強気しきれなかった東京エレクトロン(8035)は今月末31日に今3月期中間決算発表を控え仕掛けつらいが、ここはやはり短期リバウンド狙いに参戦すべきか。いったん、買い戻しの動きが広がるここは、三菱UFJFG(8306)をはじめとした金融株なども短期買い、吹き値売り好機となりそうだ。