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2011/05/31

◆日経平均は前日比188円高の9693円で5月相場を終えた。4月末比156円安だ。「日本国債の格付けを引き下げの方向で見直す」(米格付け会社ムーディーズ)との発表で円は売られたが、株価は3日ぶりに急反騰した!?いや、この日の場合は円が売られたから株価が上がったとの解説だが・・。30日は、米英市場が休場で、ドイツ株が下げた。そして、ギリシャ株が2.4%下げ、ポルトガル、スペインなど財政危機国の株価はそろって下落した。しかし、米紙が「ギリシャ財政危機に対してドイツは姿勢を軟化させる可能性がある」と報じたと伝わり、ユーロが上昇し円が急反落した流れから、東京外為市場でも円は朝方から反落スタートした。そして、昼時間中の日本格下げ発表が下げに輪をかけたもの。また、中国・上海総合指数が9日ぶりに急反騰するなど東アジア株が大幅高し、インド株なども急反発したことも後押しした。■もっとも、午後5時時点で、対ユーロでこそ2円以上下げて117円台央となったが、対ドルでは81円台央と4日ぶり反落とはいえ、直近では通常レベルの水準であり、TOPIX業種別株価指数が全33業種そろって上昇するほどの円安進行ではなかった。指数先物主導で上げたといえなくもない。それは、大型株指数が2.1%上げたのに対し、中型は1.8%高、小型株指数は1.2%高にとどまったことからの推測だが・・。いずれにしても、注目すべきは、ギリシャ債務危機が市場期待通りに薄れていき、欧米景気、中国など新興国景気への懸念も薄れていくのか?それとも、期待はずれで終ってしまうのか、市場の葛藤は当分続きそうだ。

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◆そんななか、中国での建機販売の減速感が強まったことから物色人気から外れた格好となったのはコマツ(6301)と日立建機(6305)。引け前に上げ幅を拡大したがコマツは19円高、日立建機は15円高にとどまった。中国では土地急騰がやまずインフレ抑制にむけた連続的な金融引き締めを実施してきた。結果、建設工事が減少してきており、4月以降の建機販売もまた急減少してきたという。ならば、当欄注目のロボット向け精密制御装置を手がけるナブテスコ(6268)、ハーモニック(6324)は?人件費高騰に対し新興国がロボットを導入しており、両社の業績を押し上げているのだが・・。ナブテスコは3週連続で26週線を割り込んでおり、4月高値2126円をトップとした「三尊天井」を形成、1906円の26週線接近で戻り売り、もしくは、1650円の52週線割れで見切り売りが必要な格好となっている。一方、ハーモニックは株式分割落ちがあり30日に4月の落ち後安値1834円に対する二番底1863円を付け反発したが、4月安値を割り込むとなれば、いったん、見切り売りすべきであろう。

◆一方、ボーイング「787」素材関連の東レ(3402)、大阪チタ(5726)は上昇 基調にあり、持続もしくは押し目買いを継続。●ウェザニュズ(4825)が1870円を付けようやく1850円処にあった4〜5月の上値ネックラインをクリアした。次なるヤマは1〜3月の壁1800円台後半から1920円突破劇。下からは26週線が急接近中だ。●マクドナルド(2702)は2117円高値引けで昨年12月高値2150円が見え、08年12月の2170円を併せて突破との期待が膨らむ。●サイゼリヤ(7581)は75日線から上放れ始めたか。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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