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2007/08/30

◆米株高を受け、日経平均株価は反発したが、前半高も後半は様子見気分の強い展開だった。アジア・太平洋17国・地域の主要17市場の星取表は13勝3敗1休場となり、主要市場は全勝となった。もっとも、日本株の上昇率は主要市場のなかで下位となり、不満足。円安もあって、自動車、エレクトロニクスなど輸出関連株が急伸した。とはいえ、1ドル=115円台前半で下げ渋りだすと、上値が重くなるパターンは気にいらない。値上がり銘柄数は1100に迫ったものの、売買代金は活況度の高さを示す3兆円を8日連続で下回ってしまったのは、市場をリードする海外勢の買い意欲が依然低下したままということであろう。「17日安値に対する二番底を確認してから、買っても遅くない」との見方が多い。

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◆29日の米株高をリードした銘柄のひとつが、ハードディスク製造装置メーカー最大手のシーゲート・テクノロジーの業績予想の増額修正発表だった。これを受け、3日続伸し一時8000円台を回復したのは日本電産(6594・大)。終値でも8月10日以来の200日移動平均線プラスかい離を回復したことから先高期待感が高まっている。同社は小型DCモーターが主力で、HDD用では世界高シェアをもつ。昨年1月に1万1380円の2000年以降の高値を付けた後、今年7月には6720円まで押し目を見せた。アナリストの投資評価は高いものの、海外勢が中心の売り圧力に抗し切れず下げてきたもの。今3月期も精密小型モーターの好調は続き、企業買収効果もあって、経常最高益連続更新見通しにもかかわらず下げてきただけに、中勢上昇相場入りが期待される。もっとも、永守社長自身が行っているように、株価の最大のリスクは、永守本人の死亡。買収企業再生で抜群の実力を見せてきた社長は、「私が死ねば、株価は半値くらいに下がるかもしれない」と某紙のインタビュー記事で語ったという。日電産が人気化すれば電産サンキョ(7757)など子会社化した企業群に物色人気が波及するのだが。

◆ホンダ系で業績順調のインド・中国関連銘柄エイチワン(5989)が、100円高の1598円高値引けとなった。合併効果で今期経常利益は連続最高更新見通しにあるが、PERは8倍台でしかない。株価は2月高値2485円から今月17日の年初来安値1200円まで半値以下に下落。今月の月足は、安値圏で下ヒゲの長い陽線で、75日移動平均線、24カ月線への上方かい離を回復して終り、先行き相場が明るいことを示唆して終りそうだ。

◆大同特殊鋼(5471)が一時40円高の952円まで買われ2月26日の年初来高値を更新した。これで、昨年5月以来上値ネックラインとなっていた930円台を突破。先高期待感が高まっている。先に発表した第1四半期業績では大幅経常減益となったが、通期2ケタ経常増益予想は据え置いた。その後のニッケル市況下落や円高メリットなどに伴う業績増額修正期待も高まっている。昨年来の上値抵抗線を突破したここから4ケタ乗せ相場に期待したい。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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