2015/12/17
◆日経平均株価は前日比303円65銭(1.6%)高の1万9353円56銭と続急伸した。前場には450円超上げ長期相場を示唆する200日移動平均線に6日ぶりにタッチする場面があったが、その後、利益確定売りもあり上げ幅を削った。16日の米国株は3日続伸し、欧州株は続伸。米FRBは16日に政策金利フェデラルファンド(FF)の誘導目標を0.25〜0.50%と0.25%の引き上げを発表したが、「不透明感が払拭、緩やかながら世界景気は正常化に向かっていることを確認する格好」となり、朝方から幅広く買いが先行した。
業種別株価指数では、鉄鋼が0.08%安と小反落したものの2日連続で32業種が反発した。水産・農林2.89%高で値上がり率1位となり、不動産、食料品、陸運、保険が上位5位となった。前日は上位8業種が3%超の上げとなったが、この日は11業種が2%超の上げとなった。
値上がり銘柄数は82.4%の1588と2日連続80%超となり、値下りは前日比26増の251となり、騰落レシオは2.64高の92.30と89.66と続伸した。
前号の●塩野義(4507)も続伸。一時8日ぶりに5500円台回復場面もあった。会社四季報では来17年3月期連結経常利益予想は初の1000億円台乗せを見込むとしている。上場来高値の株価には高所恐怖症も出てきそうだが、会社側の慎重予想以上の結果となれば、それもやがて解消に向かうのかもしれない。手を出しにくい水準だが、血球計数機器世界最大手のシスメックス(6869)、オリンパス(7733)と併せて、新年相場に期待したい。
●日郵政(6178)は16円高の1915円と3日ぶりに反発した。3日ぶりの25日移動平均線回復にはわずかにとどかなかったものの、7日高値1999円からの調整も年明けには完了との見方が出るか?引き続き注目していきたい。
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◆セリア(2782)が140円高の5840円と4日続伸した。新材料は聞かれないが、「日本の問屋は永遠なり」の著者有賀泰夫アナリストは、11日付けリポートで、100円ショップの大手3社セリア、ダイソー、キャンドゥの営業利益推移を比較し、「2010年辺りまでは各社団子状態であったが、ここ5年ほどでセリアがダントツの存在になりつつある」と指摘している。
その背景は?データ解析による自動発注システムを導入し、店員が商品を発注するための発注支援システムを独自開発したことから2005年3月期に3.2%だった営業利益率は、07年には5.0%と大きく上昇した。
しかし、ヒトによる発注の限界を感じ始めてたことから、06年には「自律型仮説検証モデル」と呼ぶ新発注支援システムの実験を開始。25%の自動発注から開始し徐々に自動化率を上げてゆき60%まで実験的に持っていった。が、その間の営業利益率は08/3期3.6%、09/3期には2.3%と大きく低下した。
これは仮説検証を行っていたためだったという。同社はこの検証結果をもとに、自動発注比率を95%まで引き上げた結果、営業利益率は10/3期4.3%→11/3期6.1%→12/3期8.2%・・と急速に上昇していった。
そして、同社(単独決算)は同業他社を利益水準で大きく上回る状況を実現。15年3月期は同社営業利益は105.21億円(売上高営業利益率8.89%)と6期連続増益かつ最高益を更新した。
16年3月期予想売上高は前期比9.2%増の1292億円、営業利益が1.7%増の107億円予想にある。同業大手のダイソー(非上場)の売上高は15年3月期3882億円。キャンドゥ(2698)の14年11月期連結売上高は634.84億円、営業利益が前年同期比14.6%増の17億円(営業利益率は同2.68%)、15年11月期予想連結売上高は2.5%増の648.28億円、営業利益17.42億円(同2.69%)となっており、営業利益率ではセリアが倍超と圧倒していることが株価の注目点となる!