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2006/07/31

◆7月相場が終った。3カ月連続の1万5500円前後の月末終値となり、2カ月連続小幅陰線で下ひげの長い、「下値無用型チャート」となった。後半切り返したのは、4〜6月の企業業績が予想を上回る着地となったこと、中東情勢が緊張度を高めるものの国際市況は高値圏でやや落ち着いた展開となり、前週末の米国株急伸が買いを誘った。TOPIX業種別指数33のうち、値下がりは4業種。ディフェンシブストックの医薬品、ガス・電力やゴム、そして、鉄鋼株だった。8月は、「顧客が一番休む月」。「サマーラリー」という言葉はあるものの、「サマーバカンス」に向かうことのほうが多い月だ。現在発表中の2007年3月期第1四半期(4〜6月・1Q)業績は既に28日にピークをつけ、8月に入り徐々に減少していく。会社側の決算発表を受け、これから証券アナリストが見直す方向にある。リスクは、中東戦争拡大という地政学的リスク。米国がイスラエルの国際的行動に関してはWスタンダードをとっており、アラブ世界の人気を失っていること。

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◆新日鉄(5401)は前場プラス圏で推移していたが、後場下げに転じ3日ぶりに反落した。午後1時30分に07年3月期第1四半期連結業績を発表。経常利益が前年同期比19%減となったことを嫌気したもの。ただ、前期あった原料在庫の評価益400億円を除けば、実質8.8%増益となるが、無視された格好だ。なお、同社では9月上旬に通期連結業績見通しを発表する予定。引き続き、本欄は市場体温計として「中期強気」を継続する。●東急(9005)の1Q業績発表は8月21日の予定。前週末ほぼ1カ月半ぶりに700円台を回復し、8週間ぶりに52週線に対するマイナス・カイ離を解消している。4月高値879円からほぼ一本調子で下落し、7月14日には637円まで下落。6月安値627円に対する二番底を確認した。後は、上値を試しつつ上値を追う相場に復帰するか?なお、あすは1月1日時点の「路線価」発表日。不動産関連株とともに電鉄株の一角に買い人気が波及するか注目したい。●また、吉本興業(9665・大)は豊富な所属タレントを中心にテレビ番組制作も手掛ける。DVD販売などを中心に事業はようやく拡大中。52週線が下支えした好チャートで、「BSアナログ停止」の2011年を意識した多チャンネル時代を迎えようとするなか、中勢上値を確かめる動きに向かいそうだ。●本欄中期強気株の岡谷鋼機(7485・名)は日柄調整に加え2月の上場来高値2400円から6月27日の年初来安値1362円まで下落。1000円超の値幅整理を完了した。7月中旬に発表した1Q連結経常利益は中間期計画に対し進捗率は55.3%に上った。5カ月連続月足陰線の後、今月は小幅動きで推移した。リバウンド相場がいったんあっても不思議ない。●下値切り上げのなか上値が煮詰まってきたのは水産資源獲得競争関連の日水(1332)。600円台とび台の壁を突破した後の、暴騰相場に期待がかかる。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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