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2008/09/16

◆日経平均株価は605円安の1万1609円と大幅安し、注目の3月の年初来安値を更新した。米国発「住宅バブル」の「結果」という迷惑千万なプレゼントが世界金融市場にくまなく配達されている。15日の欧米株暴落に続き、16日のアジア市場を直撃した。アジア・太平洋15市場星取表に結果は1勝(インドネシア)14敗で、15日に市場が休場していた日・香港・中国・韓国市場の下げは急で4〜6%台の大幅下げとなった。

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◆今春の米証券ベアースタンズの破綻で始まった「サブプライム住宅ローン問題」由来の米金融不安は、夏を過ぎて一気に膨らんだ。15日に米証券4位リーマン・ブラザーズが破綻したのに続き、同じく米証券3位メリル・リンチについては、米銀大手バンク・オブ・アメリカが総額500億ドル(約5.2兆円)で買収すると発表。そして、次は、先週末から大幅安となっている世界保険最大手のAIGの処理がヤマ場を迎える。AIGは米連銀に対し400億ドル(約4.1兆円)の緊急融資を申し込んだが、「民間による解決を」と拒絶された。米証券大手ではAIGも破綻の確率が高まっているというなどAIGの存続が焦点となってきている。■中国人民銀行は15日、「1 年物基準貸出金利を引き下げ、一部銀行の預金準備率を1ポイント引き下げる」と発表したが、米FOMC(連邦公開市場委員会)の16日会合のあとに、<FRBが利下げに踏み切り、AIG問題が市場の望む方向に解決が向かうか?>が、17日以降の世界市場のポイントとなりそうだ。

◆リーマン破綻の影響は、国内金融機関が16日夕方までに発表した取引総額では2600億円に上るという。融資先の乏しい「地銀」では本業低迷に加え今回の米金融大手の破綻問題や国内不動産不況が重なり、業績減額修正が相次ぐ可能性も。■また、投資ファンドの動向も懸念される。株式のみならず原油価格、非鉄貴金属、穀物・・など商品の下落はファンドの玉突き破綻につながる。そして、1バレル=100ドル割れとなった<原油価格が一段安となれば、太陽電池、風力など代替エネルギーの開発意欲が一気に冷え込む可能性>がある。また、「金融不安後退」との見方が広がった場合は急騰相場となるが・・

◆東証1部出来高は26億株とSQ算出日だった前週末を上回ったものの、投資家の買い意欲は衰えており、先物主導の展開といえる。明日の世界市場の動きが読めない中では、日ばかり商いに徹するか、休むかしかない?●古河電池(6937)が、100円高の785円ストップ高となり3日続伸した。前場安寄りした後、200日移動平均線にタッチする直前に下げ止まり、売り一巡後に上げに転じたもの。代価エネルギー関連株で値動きの軽さを狙った目先資金の買いが流入したようだ。どこまで先の相場では特定筋が入っていたとの噂も流れた銘柄。果たして厳しい市場ゆえに突出相場を演じ上値を追えるか注目したい。●丸善(8236)も75円の年初来安値を記録した後は、「営業減益幅縮小」との日経報道を背景に上げに転じ一時は99円まで買われた。ともに一般は手出し無用の銘柄だが、市場が厳しい分、人気集中の可能性も。■ならば、160円前後の200日移動平均線水準を5月以来下値ネックラインとしてきたマルハニチロHD(1334)の160円割れ場面を押し目買いするか。月足ベースでは今年1月安値105円を大底に反転。7月には6カ月線が12カ月線を上抜くゴールデンクロスを示現しチャート好転気配だ。__

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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