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2007/10/24

◆連日で最高値を更新してきたアジア新興株式市場だったが、米サブプライム住宅ローン問題の底に潜む闇の力に次第にエネルギーを奪われ、失速もしくは調整を余儀なくされている。NYダウ平均は米経済・企業業績拡大への懸念に10月9日の過去最高値(終値ベース)1万4164ドルから反落。1万3500ドル前後のモミ合いゾーンまで後退。インド、中国などアジア新興市場もまた調整色の強い展開が続く。が、海外主要市場の動きは、日経平均株価が過去最高値から半値水準にも至っていないことに比べれば、頑強だ。また、世界景気の活況度を測る原油、非鉄・貴金属、穀物などの国際商品市況が調整色を強めていることも注目されてよい。ドルは世界通貨に対し下落基調にあり、円に対しても113円台まで下げてきた。まだ、「負の連鎖」と呼ぶほどのものではないが、季節が過去に記録的な暴落を演じてきた秋本番を迎えているだけに、市場の「冬」入り回避へどう舵取りできるのか?注目される。

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◆<テクニカル面でもっとも注目すべきは月足ベースの日経平均の動向>だ。8月、9月は超長期線である24カ月移動平均線を下回る急落シーンが続いたものの、月末には切り返し、上方かい離を継続した。昨年6、7月時には12カ月線に対して同様な線を描いており、現在の方が、下方リスクが強まっていることが分かる。そして、今月はここまで「上ひげを引いた陰線」となっており、24日現在1万6626円にある24カ月線を割り込んでおり、上値の重い展開が続いていることが鮮明となっている。日本株は「景気敏感株」との世界認識にある。サブプライムローンの想像ができなかった闇大陸の大きさに世界景気懸念が漂うなかでは、景気敏感市場が好人気を得るには難しいものがある。「構造改革路線は選挙の敵」とみなされた中では国の政策もまた方向感のないものとなっている。また、需給面では、「個人投資家保護の名目」でこの10月から施行されたいわゆる「金商法」は、拡大してきた投信募集の足を引っ張り、証券営業員の存在感を無きものにし、金融庁など監理する側の論理がまかり通り、市場の手足を拘束している。

◆3月期決算企業の中間決算の発表が本格化。当面は、決算発表や業績予想の修正動向に対し、短期資金が大いに反応する短期決戦型相場を挟みつつ、全般相場の流れを読むことになろう。引き続き、来年6月の洞爺湖サミットを視野にいれた地球温暖化防止関連をベースにし、押し目を拾いたい。高値圏で頑強なトウアバルブ(6466)など原発関連を引き続き注視。自動車排ガス規制強化では、ディーゼル車関連株のなかから底値圏脱出を目指す減益幅縮小のTBK(7277)に注目。欧米で10年頃投入される新型車向けエンジン用ポンプを投入。海外メーカー向けや建機向けの拡大を図る。思惑株では東芝が筆頭株主となった池上通(6771)、大穴株として50円攻防戦を続けるシルバー精工(6453)をシャープ液晶関連株として注目。■19日号紹介の酵母工(2891・東2)は4年半ぶり安値圏で底割れチャート化している。が、PER、PBRとも割安感が強いうえ、新たな評価軸である、1株当り特許(VIPs指数)を前期末1株純資産に足せば1000円近くなる。「日本が世界に誇れるのは技術」という観点で特許を1株利益化した新たな投資基準が市場で認知されるまで、旗を振り続けたい。出番はもう少し先か!

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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