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2007/12/27

◆27日、日経平均株価は5日ぶりに反落した。売買代金、出来高とも引き続き全日ベースで最低レベルだったが、それほど目くじらを立てる必要のない妥当な動きともいえる。アジア主力7市場(日、韓、中、台、香港、シンガポール、インド)では韓、中、台が高く、日、香港が下げ、シンガポール、インドは現時点、ザラ場で前日終値水準近くまで下げてきている。ただ、朝からマイナス水準で推移したのは日経平均のみ。あすの大納会や6日間の年末年始の休場を控え、見送り気分の強い展開となった。■なかで、出来高5位に食い込み、12日の戻り高値359円を更新したのはダイワボウ(3107)。同社株は、鳥インフルエンザ向け不織布関連及び早期流行のインフルエンザ用マスク向け不織布を手がけていることで注目されている。が、信用取組が拡大均衡を続けていることも重なり、単なる思惑人気株の域を脱し、見送り気分が強いなか、全体的な人気株となってきた。

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◆この日、出来高10位となり前日比2.2倍の大商いとなったのは日立系の車両用音響機器大手クラリオン(6796)。4日続伸し、一時16円高の288円まで買われた。13日に318円まで買われ、2003年春以来頑強な上値関門となってきた200円台央を突破。その後、調整色を強め、前週末21日に229円まで下げた後、上げに転じてきたもの。市場では、「日立の事業再編の絡みで買われた」との説明があった。が、どうやら、前号で「新日鉄株以上に上昇基調入りが鮮明化しているのは日立」と記したように、日立(6501)が東芝(6502)以上に人気化しているのは、「東証がこれまで認めてきた親子上場について、『原則禁止、条件付容認』にかじを切り始めた」(日経金融新聞)の記事、東証の方針が背景にあるようだ。既上場子会社は親会社が吸収するか非上場化することになる?ならば、06年末上場子会社15社を数える日立とかつて並ぶに近い上場社数から4社に減らした東芝に比べ、日立が直近人気化しているのも不思議はないといえる。で、クラリオンは日立に吸収されるのでは?との思惑が、信用需給が拡大拮抗してきた同社株買いを膨らませているものだ。この流れは年明け以降、イオン(8267)、ユニー(8270)、NTT(9432)、NEC(6701)、富士通(6702)、ソフトバンク(9984)などに広がる可能性がある。親子ともども思惑買いの対象になるか?

◆また、前号のJR東海(9022)の「25年に自力でリニアモーターカーを実現」との報に対し、市場は1万8300円の続落、年初来安値で応えた。しかし、これはいかにもあわてた売り急ぎであろう。25年先のことであり、具体的な事業計画決定までにも時間はかかる。我々が立飛企業(8821)、新立川(5996・東2)は押し目を待って買うとしているのは、そういった意味でもある。もっとも、この2社株とも買い急ぎともいえるが。それに、立川市が基点になるというのも筆者たちの独断の見方であるし・・。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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