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2007/05/21

◆この日、TOPIX業種別株価指数の値上がり率トップは海運株だった。21日付けの日経新聞朝刊に報じられた郵船(9101)の宮原社長の発言にいくつかの重要なヒントがあった。海運株に関しては、これまで新和海(9110)を新日鉄(5401)株の陽動作戦、露払い役として紹介してきた。しかし、海運市況はアジア地域の需要拡大を背景に引き続き堅調に推移している。注目は、「軸は中国だが、中国に比べ港湾などのインフラ整備が遅れているインドには大型船が入港できるのは、ムンバイ港くらいで今後のインフラ整備が不可欠」といった発言。つまり、アジアを中心とする港湾整備、地盤改良などを日本の浚渫各社が手がけるとの絵も描けることだ。羽田空港拡張工事をはるかにしのぐインパクトがある。■地盤改良と土木を主とする不動テトラ(1813)が、13円高の191円と変わらずを挟み3日続伸した。朝方178円で寄り付いた後、一時192円まで上げ14日に付けた197円の年初来高値に急接近した。11日現在の信用倍率は1.41倍と需給逼迫化にあり、低位株の同社株を中心とした一段の浚渫株人気化場面がうまれても不思議ない。海運市況の高騰は造船ラッシュにつながり鋼材の鉄鋼各社業績を押し上げの一員となり、港湾拡張工事に繋がるとの見方で、本来は五洋建(1893)の出番であろうが、今回の一番人気は引き続き不動テトラであろう。

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◆産業用ポンプを手がける帝国電機(6333)が75円高の2595円と続伸。17日に付けた上場来高値2545円を更新した。前週15日に発表した2007年3月期連結経常利益が前の期比49%増の18億円弱と大幅に伸張し、98年3月期の過去最高益を大幅に好伸した。続く今08年3月期も前期比12%増の20億円強と連続最高更新見通しで、1株利益は140.6円。野村証券では15日付のレポートで、投資判断「2」(やや強気)を継続、「プラント向けのポンプ受注の好調から今期以降の業績予想を増額修正した。中期では、米国の原子力発電所向け需要拡大も期待できよう」としている。今年1月にスタートしたばかりの上場来初めての大相場にここから乗りたい。●となれば、本欄最注目株の岡野バルブ(6492・東2)のこの調整場面を拾いたい。原発関連の対売上構成比70%は国内トップの高さだ。これまで紹介してきた通り、原発のメンテナンスを手がけていることが何よりも、魅力的だ。

◆本欄久々登場は島津制作所(7701)。この日100円高の1095円ストップ高に買われ、なお、ストップ高で470万株弱の買いを残した。18日発表の07年3月期連結経常利益は計画を大きく上回る前の期比27%増の232億円で着地。続く、今3月期連結経常利益が3%増の240億円と連続過去最高更新見通しとなったことから見直し買いが入った。決算発表を受け、三菱UFJ証券が、「為替円安、海外を中心とした計測機器事業の堅調な需要環境が続けば上ぶれる可能性は少なくない」と指摘。投資判断「1」、目標株価1200円を継続していることも追い風となった。2月につけた90年8月以来の高値1107円抜けからもう一段も二段も上の相場に期待したい。 

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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