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2006/11/14

◆実質成長率2.0%!「予想外」とは、今朝寄り付き前に発表された7〜9月期のGDP(国内総生産)のこと。ソフトバンクの携帯電話継続制度開始前夜のコピーは過大広告というもの。本欄前号でも指摘したように、市場は直近相次いで発表された景気の冷え込みさえ感じさせるような経済指標、統計に失望感を募らせいた。そして、GDPに対して否定的な見方が支配していた。が、見事に市場を裏切った。実質成長率は市場予想を上回り、「株高、円高、債券安」の1日となった。

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◆前号で筆者が泣きを入れた銀行、不動産株は、「日銀による12月利上げ」観測が再び浮上してきたことを背景に、買いなおされた。銀行株を今春にかけ買いあげられた背景には、「ここまで薄すぎる利ザヤによる収益落ち込みに苦しんできた。しかし、それも、金利上昇によって改善する」との見方が背景にあった。しかし、想定以上に金利は低位安定し、その穴埋めに投信販売や個人年金などの販売拡大による手数料収入に頼ってきた。4月以降、大手銀行株の上値が重くなってきたが、来春にかけ、<ゆっくりではあるが金利が上昇するなか>銀行株が出番を迎えそうだ。この日、新規上場した旧日債銀のあおぞら銀(8304)が公開価格を13%下回って寄り付いた。新生銀(8303)と比較し割安感が乏しいとみられたようだ。■これまで本欄が、銀行株で市場体温計としてきたのは、みずほFG(8411)だ。が、現在、200日線との下方カイ離がぎりぎりの許容範囲のなかで下値を切り上げる格好となっている。●一方、最も堅調展開が続いており、日経平均のチャートに似ているのは三井住友FG(8316)だ。●逆に、ここまで最も上場来高値から下げ幅が大きく、24カ月移動平均線が下値に迫ってきた三菱UFJFG(8306)も良いと、迷っているところだ。3社ともすでに、公的資金を完済しており、フリーハンドを得やすくなっている。なかで、三菱UFJが「値上がり」という面での主役候補といえよう。「よく下げた銘柄が、次のラウンドでは最も人気化しやすい」とはよく言われるからだ。1株144万円の株の買いを奨めるのはいまさら面白くないが・・。

◆ラサ工(4022)は昨年の筆者、公式年間注目株だが、この日14時に発表の9月中間決算は前年同期比25%増収、97%経常増益だった。10月に増額修正した線で好調裏に着地したのだ。主力のテスト用シリコンウエハ再生事業が300ミリウエハを中心に活況を呈しており、受注数量が増加している。据え置かれた通期業績予想の増額修正を期待する声が広がり買い上げられる可能性がある。

◆元気だったのは、糸山英太郎氏が10%の株式保有もといわれるテレビ東京(9411)や山九(9065)、東日グループ(8291)など思惑材料株。新興市場に行ききれない投資家で1部市場の材料株好みには欠かせないセクターだ。引き続き思惑株と割り切った投資家に注目されて良い。■それとは別に、個別材料株の一角には独自の成長が散らばっている。●三菱鉛筆(7976)の今12月期業績は連続経常2ケタ増益で9年ぶりに過去最高更新見通しにある。この日、好業績を背景に年初来高値を更新した。4月以来の1500円台突破のここから一段上の相場が始まった!

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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