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2006/05/10

◆平均株価は時間を追うにつれ下げ幅を拡大、結局239円安と大幅続落し、1万7000円割れで終った。米株、なかでも2000年のITバブル期にやや距離を置いていたNYダウ工業30種はあと83ドルで史上最高値を更新する水準へと競りあがってきた。日米金利が逆方向に向かうことを先取りしているかのように(日米でいえば)円高ドル安(世界的にはドル安)が進んおり、日米株価が同時性を失ったかのように見える。が、筆者は、円高=株高論をとっている。では、何故、日米同時株高にならない?答えは、日米株価の水準と経過した時間の長短が主因だと見ている。■つまり、短期的にはNYダウは昨年10月13日の直近安値1万156ドルを基点にきのう9日の1万1639ドルまで483ドル、14.6%上昇した。一方、平均株価は昨年5月17日の2番底1万788円から4月7日の高値1万7563円まで62.8%上昇した。上昇期間が7カ月対ほぼ1年の違いはあるが圧倒的に日本の上昇率が高い。■では、長期的な見方では?NYダウがITバブル後最安値をつけたのは02年10月10日の7197ドル。きのうまでの3年7カ月かけて4442ドル、61.7%上昇した。一方、平均株価は03年4月28日の7603円を89年末のバブル後の最安値とし今日に至っている。ここまで要したのはほぼ3年の日々、そして、得たものは9960円、2.3倍の上昇率。■もちろん。日本株は89年バブル高値から13年4カ月もの、「失われた時間(デフレ期)」があり、NYダウの下落期間と下げ幅は平均株価の失われた時間に比べればごく限られた時間にすぎない。その後の、戻り率が低いのは当然だ。そして、この失われた時間を除外してみれば、「テクニカル面からみる限り、短期的にも長期的にも米国株の上げ余地が残っている」ということになる。そして、その遅れを取り返すべく挑戦しているのが現在のNYダウの状況である。一方、東京市場は調整を挟みつつ、次ぎの上昇相場に向けての準備を進めているとみてよい。ちなみに、89年末高値から03年4月安値までの下げ幅に対し、直近高値時点の戻り率は31.8%、3分の1戻しが目前の水準にある(半値戻し水準は2万3259円!)。

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◆本欄市況体温計では新日鉄(5401)、ソニー(6758)が高値からの下げ幅を大きくしている。一方、トヨタ(7203)、みずほFG(8411)は上場来高値圏にとどまり、それほど力を必要とせずに新高値を狙える位置にある。◎ソニーは1月の第3四半期決算発表後と同様に市場評価が低くなっている。「PS3」の11月11日発売を発表した。が下落、75日線を割り込んだ。薄型テレビとPS3が足元収益を左右するだけにPS3の評価について注目したい。

◆本欄年間注目株の岡谷鋼機(7485・名)は調整展開が続いている。2月の月足が「天井圏での上ひげの大きな陰線」となり、調整期入りを示唆したがその通りになってしまった。ただ、トヨタ株や新日鉄株の株式含み益が拡大しているうえ、企業の増配意欲が強く金利も上昇基調に転じた。受取利息と受取配当金の合計額は前期5億円増の28.66億円となったが、今期は6〜7億円増加しそうだという。1800円台固めのここから再び拾っていきたい。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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