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2007/04/17

◆意気地なし、は、東京市場!?17日のアジア・太平洋16開場市場の星取表は7勝9敗。日本、インド、台湾、韓国、豪州などが下げた。16日の米国株高(日産自以外の多くのADRは堅調だった)、ユーロに対する円安更新、米ドルに対する円安水準での推移にもかかわらず、日本市場は前場1時間前後で買い一巡感が広がり、下げに転じた。ジャスダック平均、ヘラクレス指数が4日連続で年初来安値を更新し、唯一反発した東証マザーズ指数だが、中身はといえば売買代金は500億円に満たず、値下がり111銘柄に対し値上がりはわずか65にとどまった。10時前に9円高の801円まで買われた新日鉄(5401)は、大引け前1時間半は787円を挟む小動きで終始し、上値を試す動きに入れないまま終った。

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◆世界主要市場のうち日本株は、2月下旬からの主要株価指数の回復が最も遅れている。昨年来の3新興市場からの個人投資家離散は、会計への不信、業績への懸念が背景にあった。そして、日本株のもたつきの背景には、これから5月下旬にかけて発表が本格化する3月期決算で、保守的な(慎重な)今期業績予想の発表と失望売りへの懸念がある。前3月期予想についても、期初慎重予想でスタートしたが、本欄では、「9月中間期決算(11月にかけて)の発表時には増額修正するだろう」との見方で強気姿勢をとっていたが、11月の増額修正は控えめでむしろ厳しい見方が多く、株価低迷につながった経緯がある。その後、鉄鋼セクターをはじめ増額修正(期待)が見込まれるセクターから買い人気が広がっていった。

◆今回は、5月からの外国企業にかかる「三角合併」解禁、日本企業へのM&A本格化を買う動きがいったん後退するなか、7月の参院選での与党苦戦を懸念する動きも重なり上値の重い展開が続いているもの。またテクニカル面では、これまで平均株価の下値をサポートしてきた52週移動平均線が3月23日の週をピークに小幅な下げに転じていることが、短・中期的な調整期間入りを示唆している(ただし、24カ月線の上昇基調は不変であり、長期的な上昇基調は変わらない)。一方で、新年度入りに伴う株式需給の好転や世界同時株高の流れがある。日本株ばかりがひとり負けする状況にはないとみてよい。

◆商船三井(9104)が2月の年初来高値に肉薄する場面があった。「前・今3月期連続経常益最高更新」報道があり、「バラ積み船好調に続き、今期はコンテナ船の回復が続く」と紹介されたことが背景、同社や海運業界全体も同じ方向だ。●直近、本欄注目の新和海(9110)は670円の90年8月以来の高値に買われた後、小幅高で終った。市況産業との見方から依然割安に放置されたままであり、PERかさ上げ相場に入っていくとみたほうがよい。●同じく、新日鉄群団の太平工(1819)は11円高の702円まで上げ、3日安値598円から水準を切り上げている。ともに新日鉄陽動銘柄との意味合いも含めて注視したい。■ユーロ高円安進展で、アシックス(7936)、シマノ(7309・大)、板硝子(5202)など注目。なかで、野村主幹事、米ノーザン・トラスト大株主銘柄であるコンピュータ音楽機器大手のローランド(7944)の高値挑戦に期待。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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