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2006/01/05

◆2日、東京・原宿の商業ビル、ラフォーレ原宿の初売り福袋に朝早くから並んだ娘たちがすごかったが、東急(9005)が展開する渋谷109の福袋に並んだ数は半端じゃなかった。毎年数万人を集めるといわれる初売りだが、並ぶは並ぶは!の大行列がそこかしこに出現。警備員200名でさばいたというが、今年は1日で5万6000人が押し寄せ、福袋の売上は3億円に上ったという。5万円前後のブランド品が入った福袋を1万円で売るから集客力はすさまじい。3億円ということは、この日109では各ショップあわせ3万個の福袋を売り切ったことになる。■株式市場では、百貨店の正月セールは好調だったとして、高島屋(8233)がきのうに続ききょうも昨年来高値を更新し、三越(2779)も新・三越上場来の高値を更新した。昨秋、アナリストが500円割れ場面で投資判断「中立」を据え置いた三越株だが、12月そして年明けの急騰をみて「売り」に引き下げるか見ものだ。さて、原宿、渋谷でみせた娘たちの購買意欲が消費シーンを盛り上げるが、しまむらにかようオールドパワーの力も頼もしい。さすがに今からしまむら(8227)を買えとはいえないが、筆者はべつとして、じいちゃんやばあちゃんの懐が一番フリーマネーが多いのだ!■企業の求人が増え、企業の好業績を背景とした昨冬のボーナス支給額増に続く今春の賃金引上げ意向など、昨秋来の消費関連株人気を支えるバックアップ力は強い。これを政府の「財政改革なしの増税」で水をぶっ掛けてしまってはどうしようもないが・・。民間では足元に忍び込む危機意識を背景にセブン&IHD(3382)と西武百、そごうを傘下に持つミレニアムグループとが先に経営統合に踏み切った。株式市場で、今後このことの意味の大きさが徐々に認識され、業界の垣根を越えた大再編の時代入りを改めて知らされる時はそう遠くなさそうだ。何よりも注目すべきはイオン(8267)グループが今後、どのような戦略を展開するか、どの業界のどこと組むのかということ。これまで市場で身売り説や大手傘下入りや買収の噂に上った消費関連株は多い。きょう北九州に本拠を置く井筒屋(8260)が活況裏に270円の昨年来高値に買われたのもそういった意識が働いている。本欄が先に小杉産業(8146・2部)を取り上げたのも、同社がスポーツ関連企業を買収することによる業容拡大を選択した低位株だったからだ。効率化の店舗ばかり勝ち残っては面白くもなんともないが、人口減少時代入りでかえって豊かな消費時代を迎えるとみており、景気牽引の消費関連株物色人気は長引くとみる。■きょうは双日HD(2768)が前日比6.2倍の大商いで48円高の766円高値引けとなり、03年10月の新生上場来高値794円に迫ってきた。商社株としての評価に加え、ダイエー(8263)の再建サポーターとして買われた。きのうに続きダイエーの昨年12月既存店売上高が2カ月連続プラス成長だと伝わり、きょうは400円高の3350円ストップ高に買われたことが双日の株価を押し上げたのだ。暖房関連やアパレルなど厳冬関連商品の伸びが小売り各社に追い風となったが、ただ、豪雪地方の消費の足を引っ張っていることも留意しておかなくてはならない。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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