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2007/03/02

◆日経平均が4連敗。26日高値からこの日の安値まで1140円、6.2%の下げ。一方、世界同時株安の震源地・上海総合指数は2勝2敗で、その後27日安値を下回っていない。26日の日経平均は200年5月以来の高値だったのに対し、上海は26日が上場来高値。通常なら、震源地でしかも直前に高値を付けたばかりの上海株が厳しい下げとなるはずだが、厳しかったのは日経平均、いや、日本市場の方。515円安した28日には出来高が36.8億株とふくらみ、売買代金は4.8兆円で史上最高だった。そして、1日が31.8億株で売買代金3.9兆円。きょうは27.4億株、3.5兆円と縮小傾向だが、高水準。TOPIX33業種別指数中で高かったのは、鉄鋼、石油・石炭、不動産、非鉄金属、鉱山、その他金融株など8業種のみ。第3次利上げが見えなくなり、利ざや改善が進まない銀行株、為替が1ドル=116円台への円高ドル安進展で為替差損や採算低下がリスクとなった電機や自動車株が下げた。市場やマスコミでは円高進行、かつて超低金利で日本円を借りて各種市場に投機していた向きの反対売買で、逆の流れになるとの警戒を言う向きがあったが、今すぐに確認できるわけではない。

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◆結果としてわかったことは、日経平均の週足が、1002円の長大陰線を引き、5週間分の上げをすべて吐き出してしまったということ。そして信用の損金率が高まった。新日鉄(5401)は続伸し、一時37円高の854円まで買われ2月27日の高値にあと4円と迫るなど、ひとり気を吐き、17円安の820円で週を終えた日立(6501)の株価を再び抜き返した。日経平均は、新日鉄高にも力を得ることなく1万7250円を挟んだ小動きに終始するにとどまった。新日鉄は、鉄鋼の世界覇権競争下のなか、中国・宝鋼集団、欧州ミタルと組んでの中国車用鋼板の増産報道が前日の業績増額修正に重なって買いを呼んだ模様。■新日鉄関連株で思惑買いを集めたのは日本金属(5491)。本欄でも2月の急騰寸前に「積極買い」とし、22日の急騰後の日足悪化で短期苦戦としたが、前日に高値から200円弱下落したところで、仕掛け的な買いが広がったという。この悪気流のなかで一時80円高の548円ストップ高に買われた!?週明けの動きは注目だ。

◆平和不(8803)は前日の業績増額修正だけでなく、フィディリティ投信大株主に登場との観点から注目される。本日の日経金融新聞は、「同ファンドは、主力商品の『日本成長株ファンド』の運用体制を見直し、今月から運用担当者を複数体制とし資金流入に対応する。複数の担当者が銘柄分析から選択を受け持つ」と報じている。この件は<日本インタビュ新聞社のホームページで「証券日刊新聞ブログ」に>(筆者の相棒が担当)詳細が掲載されている。「お気に入り」に追加して投資の参考にしていただければ幸いだ。同社株だけでなく、不動産株が強い展開だ。3月下旬の公示地価発表前が当面のヤマだが、以前、指摘したように、東京駅、大手町、日本橋地区などの再開発プロジェクトはこれからが本番だ。菱地所、三井不だけでなく東京建物(8804)、NTT都市開発(8933)にも注目。■あと、ロイヤルホテル(9713・大2)はここ乱高下したが、森トラストによる再建を期待し中期株価変貌を予想する。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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