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2008/11/21

◆週末の日経平均株価は4日ぶりに反発。20日の米国株安値更新、円高進行を嫌気し朝方は売りが先行。寄り付き前外資系証券の注文状況は推計差し引き1970万株の売り越しで12営業日連続売り越しとなり、一時10月28日の安値に続く7406円まで下落した。予想の線である。しかし、その後の動きは想定外で、上げに転じた。一時は8000円にあと6円まで迫る場面があった。

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◆日経平均週足チャートは、3週連続陰線足となり、<この日の安値7406円が10月28日安値6994円に対する二番底となるかが注目される>。が、そんなに楽観的でいいのか?上値がじりじりと下がる展開が続いており、底入れもしくは急反騰が期待される格好とはなっていない。この日のTOPIX業種別株価指数値上がり率上位は、●不動産、●非鉄金属、●鉱業、●卸売(商社)、●機械となっておりいずれも5%超の上昇。なんのことはない、直近大きく下げてきた金融不安関連株、景気敏感株が並ぶ。10月安値からは当日の急反転を含め11月5日の9521円まで6日間上値を試した。その後、欧米株が続急落となったのに対し、日本株はじり安基調だった。じり安相場からは前回の戻りほど強い動きは想定しにくい。

◆東京市場は月曜日休日となり、海外相場と時間差が生じる。週明けは、日本では28日(金)朝の10月鉱工業生産が注目され、米国では25日の9月S&P住宅価格指数、26日(水)耐久財受注が注目ポイントとなる。

◆米ビッグスリーの金融支援問題は12月に決着が延びた。ビッグ3は、合理化など自らを徹底的に見直すことなしに、破たんすれば大量の失業者が出るといいたてて「大きすぎてつぶせないだろう」とばかりに、融資を強要する?環境問題に対して後ろ向きで(このことがやがて日本車の優位時代を呼び込んだ)、作れば売れるガソリン大食いの大箱車を生産し続けた。そして、後を追いかける第4のメーカーは政治力などを使って潰してきた。「地獄の黙示録」のフランシス・F・コッポラ監督が1988年に制作した映画「タッカー」は、第二次大戦後に速度、耐久性、安全性、高級感を備えた新時代にふさわしい夢の自動車つくりを計画した実在の人物ブレストン・タッカーを主人公としたものだが、ビッグ3の政治的策略により、詐欺師としてSECに告発され裁判台に立つ羽目に。結局、無罪を勝ち取るために50台の新車を期日までに何とか作り上げ、無罪を勝ち取ったが、車つくりは終った。コッポラ監督はラストの裁判シーンで主人公B・タッカーに「巨大な力で個人の自由な発想を潰すことは、この国の未来を閉ざすことになる(「そう遠くない間に日本に追いつき追い越されるであろう・・」といった風の言葉を)」を語らせている。●セブン銀(8410・ジャス)は週末に反発し下ヒゲの長い週足を引いたが、●リソー教育(4714)が一転ストップ安に。●ツムラ(4540)も急反転・・と直近堅調組は利益確定売りに急反落。ツムラは2週連続高値圏での上ひげでまたまた一服?

◆4ケタ目前で足踏みしていた科研薬(4521)が960円まで買われ、10日の直近戻り高値を更新。10月29日に730円まで下げ年初来安値に後10円に迫った後は、4週連続陽線で4ケタをうかがう格好に。クセは悪いが中勢上昇波動入りを期待。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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