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2008/06/09

◆週明けの東京市場は、輸出関連株をはじめほぼ全面安。日経平均株価は大幅反落で308円安の1万4181円となり、TOPIXは7日ぶりに1400ポイントを割り込んだ。前号で記した通り「6日発表の米雇用統計の結果とそれを受けた米株動向の結果を踏まえての始まり」となったのだ。発表された5月の米失業率は上昇。そして、ドル安(円高)を受け、NY原油先物は10ドル超の大幅高で138ドル台の過去最高を記録。リセッション(景気後退)とインフレが同時におこる「スタグフレーション」懸念からNYダウは394ドル(3.13%)安となった。■これを受け、アジア・太平洋15市場星取表は、1勝10敗4休場。上げたのはインドネシアのみで、各市場1%超の急落となった。

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◆ただ、東京市場は、朝寄り前の外国証券注文状況が連続買い越しとなり、市場に安堵感が漂った。日経平均の下落率は2.13%とNYダウよりも小幅であり、後場まもなくには前場寄り付き直後の下げ幅から142円下げ幅を縮小する場面もあり、出来高19.3億株、売買代金2.0兆円と薄商い、値下がり銘柄数1492と厳しくはあるものの、前週と同様に、NY比頑強な相場との思いは残った。

◆やはり、環境関連株の一角に年初来高値組があり、逆行高銘柄も多かった。原油高騰を背景に代替エネルギー関連株として太陽電池関連株や原発関連株、そして、燃料電池自動車関連株などの一部が好人気となった。新神戸電機(6934)が急反発し、古河電池(6937)がストップ高となり年初来高値を更新するなど好人気を持続した。原発関連株では主役の日製鋼(5631)が15円安と小幅安に踏みとどまり、東京製綱(5981)は年初来高値を更新した。●東京綱については外資系証券が作成したレポートが注目された。投資対象外としてはいるものの、「ピュアに業界成長に沿った業績を描くことができる、数少ない太陽電池関連銘柄」として紹介!「太陽電池向けワイヤソー・ソーワイヤは急拡大する可能性が台頭。フェローテック(6890・ジャス)との提携のシナジー効果は大きく、ワイヤソー・ソーワイヤの最大需要国である中国での急速な売上拡大が現実的になってきた。両製品の利益寄与も大きく、中期的な業績ドライバーとして期待できる」などと指摘している。そして、かつて仕手思惑株だった名残か、この日は、ルック(8029)が年初来高値に買われ、丸山製(6316)が3日ぶりに反発に転じた動きと呼応した動きだとの声も聞かれた。が、これは単なる連想か?

◆当欄が鉄鋼の低炭素化関連として注目の鉄鋼向け省エネ加熱炉の中外炉(1964)も、待望の14%の急騰!で値上がり率4位。一時昨年3月高値にあと4円と迫る542円まで買われる場面があった。3月来400円台後半が上値ネックラインとなってきただけに、ここからもう一段高は必至とみてよい。

◆ガンダムシリーズでおなじみのアニメの創通(3711・ジャス)も、1月22日の上場来安値21.2万円を大底に3月に二番底を入れ、6月初めに200日移動平均線を突破したことで、上昇基調に転換したと見てよい?初代ガンダム・ファンの筆者にはいつまでもガンダムではないだろうにとの思いはあるが、面白いものはやはり面白い。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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