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2015/06/10

◆この日午後、日経・電子版は、日銀の黒田東彦総裁は午後の衆院財務金融委員会で、為替相場について実質実効為替レートで見れば「かなりの円安になっていることは事実」と述べ、「実質実効為替レートがここまで来ているということは、ここからさらに実質実効為替レートが円安に振れることはありそうにない」との見方を示したと伝えた。そして、黒田総裁は「経済のファンダメンタルズと対応する(相場の)レンジがあって、その範囲で動いていることが望ましい」と指摘し、「これ以上少しでも円安になれば絶対だめとも言えないかもしれないし、さらなる円安でどんどん(経済に)プラスになるということでもない」と話したと伝えた。 9日米国市場でのFRB利上げ年内開始観測から米10年国債利回りは急反発し昨年9月以来の高水準となり、NYダウが小幅ながら5日続落。欧州では、9日ギリシャ提出の最終提案は欧州との同意内容から後退していたことから、独DAX指数が4日続落するなどギリシャを除く主要市場が4日続落した。日経平均株価は、前日後場に下げ幅を拡大した流れもあって、朝方、2万50円台まで売られた。その後、後場前半には2万264円92銭と買いが先行する場面があったが、上記のように「さらに円安に振れることはありそうにない」(日銀総裁)と伝わったことから、失速。一時2万16円水準を見る場面があり、前日比49円94銭安の2万46円36銭と5月19日以来の安値水準で終了した。■日本経済は回復軌道にあるが、なお、安倍政権は「デフレ脱却、持続的成長」実現が最大の目標となっている。各国市場にとって恐るべきは、ギリシャ救済プログラムの6月末終了までにギリシャ問題が解決するか?不透明なこと。そして、東京株式市場では5月の上昇シーンにかけて裁定買い残株数が積み上がり、5月末には3.83兆円と大きく増加した。昨年秋や昨年末の水準を越え、13年12月末には約4.06兆円以来とさらに膨らんでいることだ。

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◆当欄銘柄では星野Rリート(3287)が4月最高値153.4万円からこの日134.4万円と20万円弱後退した。中期相場を示唆する26週線に1年半ぶりにタッチした。下値には長期線52週線が120.3万円で控えている。低金利を背景とし、同社「老舗を再生し、競合旅館を顧客」に変える戦略になお期待は大。引き続き、底打ち反転シーンを待ち拾っていきたい。●ヤオコー(8279)は5月初めから上昇基調に転じ、一段高の展開にある。3日連続で株式分割落ち後高値を更新し、株式分割考慮後最高値を連日で更新した。11年3月安値2101円(修正後1050円)を大底としたほぼ一本調子の上昇トレンドとなっており、ピッチはさらに加速してきた。同社既存店売上高は、15年5月度も前年同月比8.8%増と好調裏に着地。見直し買いが続いている模様。「日本の問屋は永遠なりの」著者有賀泰夫アナリストは9日、ブログで、「同社は消費税増税によって、食品スーパーは完全に勝ち組。同社既存店は昨年4月は1.5%増と落ち込んおらず、しかも5月は6.1%増だった。その水準に対して8.8%増とはもはや何をか言わんである」と記し、「同社は食品スーパーの勝ち組であることは間違いないが、そもそも食品スーパー自体が大手総合スーパーの不振をしり目に好調を続けている。なぜそんなことになっているのかを世間はやはり知らないのである。なぜ、食品スーパーがそんなにすごいのか。なぜ、総合スーパーがここま不振なのか?」は、同氏が12年に上梓した「日本の問屋は永遠なり」でその詳細を見ることができると記している。しかし、買いにくい?

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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