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2006/03/08

◆前日、「不動産株指数は平均株価とそっくりの動きとなっている。昨年来(ザラバ)高値は2日早く2月6日に平均株価が付けたが、75日移動平均線との絡みぐあいなどはそっくりである。不動産株は金利上昇に敏感であり、全般相場の方向と一致する」と指摘した。が、きょうは反対方向に別れた。平均株価は続落し、日足は75日線から下に放れて宙に浮いた格好となった。これは2月20日以来のことである(2月20日に日々線が75日線をまるごと下回ったのは昨年6月17日に日々線が75日線を上回って以来ほぼ8カ月ぶりのことだった)。一方、きょう付けの日経新聞朝刊に、「三菱地所(8802)の07年3月期連結営業利益が今期予想比1割増の1400億円強となり過去最高を更新する見通し。三井不(8801)も営業利益が2ケタ増益となり、純利益は過去最高更新する」と観測報道したことを手掛かり材料とし目先資金が飛びつき、不動産株指数は反発。75日線を上回った。懸念されるのはきのう反発力に期待した鉄鋼株の日足が下放れたこと。引き続きうたれ強さを発揮するとみているが、当分油断できそうにない。

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◆基本は「中勢上昇基調のなかでの調整局面」との見方に変わりはない。が、東証1部市場の出来高は5日連続で20億株割れと見送り気分の強い展開が続いており、その日、手掛かり材料が出た銘柄に反応するだけの日々となっている。■きょうあすの日銀の金融政策決定会合に関し、小泉首相以下政治世界から「量的緩和解除に踏み切るな」との牽制球が相次ぎ投げつけられている。日銀が解除に踏み切れるかがポイントだが、内閣府がきょう発表した2月の「街角景気」は、10カ月連続で景気の良し悪しの境目を示す「50」を上回り、過去最高を更新した!

◆今週末までイベント山盛りだ。平均株価、TOPIXとも75日線を下回った市場全般の下値リスクが高まるなか、出たとこ勝負のその日暮らしの相場が続いている。が、無理する必要はない。よくみれば、中長期買い場に下げてきた銘柄は多い。ちなみに、2月23日付け以降の本欄紹介銘柄では、◎半導体商社のイノテック(9880・ジャス)はMSCB(修正条項付転換社債)の発行が嫌気され三角保ち合いを形成中で上下どちらかに放れる日が近そうであり注目したい。◎ツムラ(4540)は6日に昨年11月17日以来の安値2700円に沈んだが、1月に90年1月の上場来高値を更新した後の中期調整と見ればよい。◎ホンダ系部品メーカーのヒラタ(5989・ジャス)は6日に昨年来高値を更新したばかり、◎ダヴィンチ・アド(4314・ヘラ)は一回転した。◎後発医薬品の沢井製薬(4555)はきょう4680円に買われ連日で昨年来高値を更新、◎国際的TOBさえありうるとした武田薬(4502)はきょう6700円まで買われ年初来では高値を更新した。調整に入ったダヴィンチ、ツムラ以外は引き続き中期強気で臨むべきであろう。28日付けでは◎ガイシ系の電子部品製造の双信電機(6938)は下値をジリジリと切り上げており、引き続き妙味ありとみる。3月2日付けでは年初来高値3690円を睨んでいるテルモ(4543)が下値を切り上げている。3日付けのCCI(4788・マザ)やヒラタ(5989・ジャス)とともに引き続き押し目を拾いたい。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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