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2011/06/14

◆日経平均は前日比99円高の9547円と急反発。TOPIX業種別株価指数は全33業種がそろって上昇した。13日の米国株式市場では、アジア株軟調、欧州の中核国株高・南欧株安の流れに続き、商品市況が続落。一時、活況なM&A発表を手掛かりに買われたものの「いって来い」の格好となりわずかな反発で終った。しかし、東京では、ここまで悪役となってきた東電(9501)が、14日売買分から信用取引の臨時規制措置を実施するとの東証の発表を手がかりに買いが先行。そして、政府が「原子力損害賠償支援機構法案」を閣議決定したことが追い風となり大商いを伴いストップ高に突っ走ったことから、東電の債券を保有かつ大株主である銀行など金融関連株に物色人気が広がった。加えて、前引け後に、景気減速感が強まっていた中国が発表した5月消費者物価指数(CPI)が前年同月比プラス5.5%と3年ぶりの高い伸びに加速したと伝わり、アジア株が上昇。日経平均は後場大幅高で始動。その後、日銀が金融政策決定会合の結果を発表、景気判断を3カ月ぶりに上方修正したことが追い風となり9500円台央まで上げてもみ合いで推移した。いわば好材料の玉突き状況で上げたものだ。ポイントは、中国はこれまで4回利上げを実施してきたが、今回のCPI発表などをうけて追加利上げを実施するかどうかということ。政府の舵取りが注目される。

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◆前号にも少し記した当欄注目銘柄のひとつ、臨床検査薬大手の栄研化(4549)は今2012年4月期連結経常利益は前期に大幅増となった反動と研究開発費の増加により前期比18%減の22.9億円の会社見通しだ。しかし、これは、一過性と受け取るべきであろう。株価はきょう一時21円高の1094円まで付け、4〜6月の震災後高値圏をクリア。2月18日の年初来高値1117円を取りに行く、26週移動平均線を下値サポートラインとした上昇基調にある。ウォッチングを継続しよう。1117円の先にある次のポイントは09年8月高値1296円。同社は国連機関と組み、途上国・新興国で蔓延する結核治療に向け、迅速検査キットの12年発売を目指しており、親会社大塚HD(4578)は治療薬の開発を目指す。5月には大塚HDと米マイクロソフト社創業のビル・ゲイツ氏らが設立した慈善団体と連携、低価格薬を開発・販売するとの報道があった。企業理念とテクニカル面の良さ、そして、業績面に期待しよう。

◆当欄注目のマクドナルド(2702)、メッセージ(2400)とも5月31日の直近高値後は、調整色を強めている。マックは2040円前後の200日(26週)線水準から買い場を探したい。メッセージは23.7万円水準にある26週線に急接近しており、ここで下げ止まるのか、22万円水準の52週線まで見に行くか注目しよう。6月第1週の分割落ち後最高値27万円を付けた後の失速で週足チャートが悪化。調整色を強めている。もちろん、業績は引き続きすこぶる好調見通しにある。ここまで株価は上昇してきたものの、知名度がほとんどない分、13倍台の低PERに甘んじている。が、その落差が、押し目のポイントで買う時間を与えてくれるのだから、文句は言えない。低価格の治療薬を12年にも投入すべく取組んでいる。結核は現在の日本では話題の外にある。しかし、今も古くて新しい病気であり、世界では年間170万人が死亡する主な死因のひとつ。   

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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