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2011/05/16

◆5月第3週初め、日経平均は前週末比90円安の9558円と3日続落した。朝の寄り付き9571円を挟み上下46円の小幅往来で終始した。前週末13日の海外市場では、16日開催の欧州(EU)圏財務相会合を控えギリシャ財政不安からユーロが円やドルに対し下落し、主要欧州株は3日続落した。そして、商品市況が高値圏で乱高下するなか、米国市場では金融・銀行株が下落。NYダウは100ドルの急反落、小型株2000銘柄で形成するラッセル2000指数は3日続落した。この流れを受け、アジア・太平洋市場の主要指数もそろって急落、日本株の動きを縛った。前週末で大半の企業が3月期決算の発表を終え、この日は70社強の発表となり、明日は26件まで縮小。来週には10件未満となり、物色難が一段と強まりそうだ。引き続き、米国株次第の相場となりそうだ。日本株投資の海外勢の動きはやはり、米国株を横目ににらんだ日本株投資となるからだ。 

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◆東京市場では、上場10電力株中、8電力株が年初来安値を更新し、弱い場況をさらに暗くした。原発事故不安の当事者である東電(9501)は4月に先行して叩かれた結果、まだ4月の上場来安値に130円ほど上の水準にあり、沖縄電(9511)は3月安値に200円超上値を残している。が、この日は、福島第1原発事故処理で不透明感が濃くなるなか、賠償負担懸念に加え電力の発送電分離論が浮上、事業環境の悪化懸念が嫌気された。また、素材・資源など商品市況関連や金融関連の下げも大きかった。

◆当欄注目株では、サイバー(4751)が13週移動平均線や75日線を割り込み、日足ベースでは、4月1日に付けた05年秋の分割落ち後高値30.2万円をトップに3月高値29.74万円、5月2日高値29.29万円を従えた三尊天井の格好となった。4月の直近安値25.83万円割れとなれば、3月15日の大暴落時安値19.9万円に対する二番底形成に入る可能性も意識せざるを得ない。ただ、先にも記したが、会社側の今9月期業績予想に対し、アナリスト平均の予想が高かった分を株価が織り込み中と見ることも出来る。そして、第3四半期決算発表時に向け会社側の通期増額修正期待が株価に織り込まれていくと考えており、先行きを楽観視していることに変わりはない。全般相場とのかね合わせはあるが、ウォッチングは継続。●再生医療、後発医薬品関連として注目の科研薬(4521)が小反落。前週に決算を発表した後、ほぼ10年ぶりに1100円台を付けたことで利益確定売りが出やすくなっている。筆者には、1970年代に嘘にまみれた大思惑相場を見た懐かしい銘柄だが、今は違う。今期連結経常利益は08年3月期から5期連続で過去最高を更新する見通しであり、144億円予想は07年3月期の倍近い伸びだ。1株利益も80円台央の予想であり、予想PERは13倍割れ。幸い、薬品株は全く現在の相場で「蚊帳の外」状態が続いている。もちろん、全般波乱期には、急落の可能性はある。が、その後の反発力は大とみている。ここはウォッチングを継続し、全般突っ込み場面があれば、拾う銘柄のひとつとしたい。●また、マクドナルド(2702)やメッセージ(2400)など当欄紹介銘柄で、上昇基調が続く銘柄群はウォッチングを継続しよう。  

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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