2009/03/30
◆30日、新年度入りを週央に挟む08年度ラストランの東京市場は、前週末27日の米国株急反落を嫌気、日経平均株価は大幅続落。次第安となり、前週末比390円89銭安の8236円08銭と安値引けとなった。下げ幅は今年第3位、24日以来4日ぶりに8200円台まで沈んだ。前週末に記したように、3週連続週足陽線を引き、26日には騰落レシオが121.6%と上昇、要注意の3週目を通過し、4週目に入った。10日安値7021円から前週末27日高値8843円まで26%の上昇は上々といえる。ちょっとした風が吹けば、利益確定売りに走るのは当然といえる。
PR : リアルタイムで「買い信号」点灯銘柄をスクリーニング。
◆3月の米国市場で雪解け風を呼び込んだのは金融機関トップが口をあわせたかのように連日で「1−2月の業績は好調だった」と表明したこと。ところが、前週末は、JPモルガン・チェースのCEOがテレビで「3月は事業環境が1−2月に比べ厳しかった」とコメントしたことから、金融株が利益確定売りなどに大幅下落。さらに、NY原油先物(5月限)が急反落し、同金先物(6月限)が続急落するなどエネルギー・資源関連株が下げた。またこの日、東京市場で大手自動車株がそろって大幅安した。「(破たんは回避できそうだとの見方が広がっていた)GM、クライスラーの米自動車大手2社は破たん処理の可能性も」とのニュースが伝えられたことから、利益確定売りが膨らんだ。加えて、東京外為市場で一時1ドル=95円台へと円が急伸しことも、輸出株の売り圧力となった。
◆5.3%下落したのは輸送用機器株。大手自動車株は軒並み大幅安した。トヨタ(7203)は3140円(前週末比120円、3.68%安)、ホンダ(7267)は2300円(165円、6.7%安)、日産自(7201)は361円(30円、7.7%安)・・引けとなった。また、主力輸出株が属す電気機器は4.9%下げ、精密機器も4.5%下げた。
◆ただ、3〜4週目で下げるのは想定の線であり、先にも記したように、10日安値からの反騰率26%は上々。中勢二番底探しの展開に入るとの見方は当面変える必要はないとみる。ちなみに、NYダウは、「9日安値6547ドルから26日高値7924ドルまで14営業日で1377ドル、21.0%上昇。そして、25日移動平均線からのかい離率10.6%は1939年9月以来約70年ぶりの10%超となった」という(日本アジア総合研究所の30日付けコメントより引用)。
◆問題は物色の方向だが、米自動車業界動向をはじめ、流れが見えるまでは読みにくい。突っ込みを狙うべきは「グリーン・ニューディール」関連から、太陽電池関連株とみるのは変わらない。エヌ・ピー・シー(6255)に引き続き注目する。
◆吉野家HD(9861)は日足ベースに続き、週足ベースでもようやく良くなる芽が見えてきた。引き続き突っ込み買いで臨みたい。■介護関連株は長期的に楽観視しているものの、足元は、星取表は1勝6敗1分けとなるなど厳しい。最大手のニチイ学館(9792)が株式分割落ちもあって、チャートを読めない格好となっており、判断が難しくなっている。また、当欄主戦のメッセージ(2400)は短期的に厳しい場面入りが懸念されるが、割安感の強さが下支えするか注目している。