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2008/04/02

◆前号では、低位材料株物色の流れが、「日本の食糧問題」に摺り寄せられクミアイ化(4996)のストップ高など「農業」関連株人気につながったのであり、「買い方が買い仕掛けるための方便だ」とした。この日はクミアイ化が値下がり率上位となるなど人気圏外となった。代わって、電機、自動車株から金融・不動産株など主力大型株を先導にほぼ全面高商状となった。■これまで、ブッシュ政権はサブプライム問題では公的資金を投入しない、との姿勢を貫いてきた。これが、日本のバブル崩壊後の90年代の15年不況、バランスシート不況につながるとの懸念となってきたのだが、どうやらブッシュ政権は公的資金投入を認めはじめたようだ。ポールソン財務長官は「FRBによる大手証券ベアー・スターンズ支援にむけ特別融資が焦げ付いた場合、損失を国が埋め合わせる格好で肩代わりする」ことを認めた。実質的に公的資金(つまり、国民の税金)を投入するとしたのだ。結果、米国株やドルの大幅高につながり、一方では、非鉄・貴金属、原油など国際商品市況の急落につながった。■結果、この日、日経平均株価は500円超の大幅高となり、1万3100円台を回復した。アジア15市場星取表は13勝2敗となった。ただ、中国は代表的指数の2つが上下反対方向に動くなど引き続き、直近安値圏で慎重な動きとなっている。東京1部市場では「金融不安が後退した」と言い募る声も聞かれた。もっとも出来高20億株、売買代金は2.4兆円と前週並みの低いエネルギーにとどまったことは問題視したほうがよい。直近号にも記したが、<15日以降の米金融機関の決算発表>で裏切られる可能性が残っているし、国民が金融機関支援策を支持しないとなれば金融システムへの不安は残る。

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◆筆者の本年の年間注目株・日化成(4007)が1部市場値上がり率ランキングトップとなった。新たな材料が発表されたわけではない。が、一時44円高の211円まで買われた。筆者は三菱系の次世代超低公害ディーゼル車関連低位材料株として注目しているのだが、三菱商事(8058)が千代田化工(6366)を傘下に収め事業構造の改革を実施することが判明、前日に明和産業(8103)が三菱系商社統合思惑の低位材料株として急騰したが、この日は、日化成に三菱系の環境関連低位材料株として思惑買い人気が波及したと見ている。ただ、会社四季報では前・新春号では増収増益としていた来2009年3月期連結業績予想を、今・春号では大幅減益予想としており、4月後半ころから神経質な相場に陥る可能性がある。「200〜220円水準は手持ち株の半分は利益確定売り」としたい。ただし、1月22日安値137円を大底とし、3月17日安値143円を二番底とするW底を打っており、下値は限定的と見ている。●炭素繊維でもビッチ系といわれる分野を展開するのはクレハ(4023)。結晶構造が「等方性」のもので耐熱性などに特徴があり、「高温熱処理炉用断熱材」分野では国内シェア5割以上で世界トップだ。同分野では半導体用シリコン単結晶引き上げ炉が現在の300ミリウエハ用需要に次ぎ、将来は450ミリウエハ向けが期待されるうえ、太陽電池用基板製造炉向け需要が見込まれる!つれて生産能力増産態勢にあり、現在60億円規模といわれる炭素事業売上高を2012年度には120億円に引き上げる計画にある!

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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