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2008/09/17

◆今春の米証券ベアースタンズの破綻で始まった「サブプライム住宅ローン問題」由来の米金融不安は、夏を過ぎて一気に深刻化した。世界の株式市場だけならず金融・商品市場まで激震が走り、止みそうにない。9月15日には米証券4位リーマン・ブラザーズが破綻したのに続き、米証券3位メリル・リンチは、米銀大手バンク・オブ・アメリカが総額500億ドル(約5.2兆円)で買収すると発表した。そして、16日、「民は民に」といって、リーマンをつぶした米政府が、先に2住宅公社を政府が管理下においたのに続き、大幅安に叩かれてきた世界保険最大手のAIG救済策を決定した。FRB(米連邦準備制度理事会)が最大9兆円(850億ドル)の融資を実施し、国が救済する。AIGが先に米連銀に対し400億ドル(約4.1兆円)の緊急融資を申し込んだ時は、「民間による解決を」と拒絶されたのだが・・。

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◆とはいえ、これで米金融不安が去ったわけではない。たしかに米政府の危機対応への決意は分かった。応急処置はされたが、今回の問題の発端となった「住宅価格の下落」が止まなければ、信用収縮は続き、他の金融機関の危機がなくなったわけではない。また、金融機関が十分な資本増強を実施することが出来るとは限らない。■また、投資ファンドの動向も懸念される。株式のみならず原油価格、非鉄貴金属、穀物・・など商品相場の下落はファンドの玉突き破綻につながる。そして、1バレル=100ドル割れとなった<原油価格が一段安となれば、太陽電池、風力など代替エネルギーの開発意欲が一気に冷え込む恐れ>がある。

◆リーマン破綻の影響は、国内金融機関が16日夕方までに発表した取引総額では2600億円に上るという。融資先の乏しい「地銀」では本業低迷に加え今回の米金融大手の破綻問題や国内不動産不況が重なり、業績減額修正が相次ぐ可能性がある。そして、企業業績の回復は予想を裏切り、後ぶれしそうだ。

◆「金融不安後退」との見方が広がった場合は急反騰相場に転じるのだが、そういつつ日経平均株価は16日に1万1551円まで下落し3月17日年初来安値を更新してしまった。深い失望感が広がる。●日本経済を代表するトヨタ(7203)が昨年7月以降、75日線や26週線沿いに上値が切り下がり、大型株代表の新日鉄(5401)は200日線に頭を抑えられながらの下落基調が止まないことは重い。●また、当欄の希望の星といえるセブン銀(8410・ジャス)は依然、25日移動平均線沿いの上昇基調が鮮明だ。しかし、全般相場が下げるにつれ「割高感が強まる恐れ」がある。●ユニチャペット(2059)も下値支持ラインが75日線から200日に後退しており、200日線をも割り込む恐れが強まっている。

◆マルハニチロHD(1334)は今年1月安値105円を基点とし、上値ネックライン24カ月線、195円への挑戦が続いている。150円台は押し目買いゾーンとみる。水産資源は新興国の消費水準の上昇や欧米では肉と比べ「健康食」として認知され、消費量が急拡大中だ。世界各国の獲得競争が急となるなか、日水(1332)比で水産事業比率の高さにも注目。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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