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2010/03/10

◆日経平均は前日比3円安の1万563円とわずかではあるが続落。前日まで内外不透明感後退を背景に堅調だったこともあり、利益確定売りが優勢となった。8日の海外市場で、円は大半の主要通貨に対し下落したが、東京外為市場では輸出企業の円買いなどで1ドル=89円台と3日ぶりに円高に振れた。それでも、輸出関連株は頑強だったが、金属市況安を受けた素材・資源関連株や内需株、金融株が軟調だった。出来高は16億株、売買代金は1兆722億円と引き続き買いネルギーは乏しい。日経平均の日中値幅はわずかに41円だ。週明けに220円弱上放れて始まったものの、3日連続で50円前後の小幅往来となっている。週末12日の先物・オプションのSQ算出に絡む思惑、来週16日の米FOMC、同日のギリシャ財政再建策の具体的な実施計画提出(期限)を控え、海外勢の様子見気分が広がっての膠着状態か?ただ、NYダウ、日経平均とも1月中旬に付けた昨年来高値を目前に頑強な動きだとも言える。■TOPIX業種別株価指数は23業種が下げ、10業種が上げた。値下がり率上位で目立ったのは素材・資源関連と内需株。一方、値上り上位には輸出関連が大半を占め、金融関連が続いた。値下がり率トップは海運株、9日にドル高ユーロ安に振れたことを受け海外商品市況が下げ、バルチック海運指数が9日ぶりに下げたことから利益確定売りが先行し1.2%下げた。2位に石油・石炭、4位鉱業、5位ゴム製品、11位には鉄鋼、非鉄は0.4%下げて14位となった。

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◆前日は、アフリカ、東南アジアから感染拡大が伝わっている「結核」に絡む銘柄として、2月26日に結核遺伝子検出試薬キットの製造販売承認を厚生労働省申請した栄研化学(4549)をちらっと紹介した。ただ、「製造認可には時間がかかる」。「右肩下がりのチャートは魅力に欠ける。ただ、無理やりに見れば、昨年11月以来800円絡みの水準では打たれ強くなっているとの見方も取れる。まずは、ウォッチングを開始しよう」と記した。が、会社四季報10年第1集には、「結核の迅速検査法は11年には国内、12年には世界規模で展開へ」とあった。筆頭株主は自社(自己株口)とあり、2位は9.1%保有の"現在"は非上場の大塚製薬だ。株価は、きょう現在833円にある75日移動平均線を抜かないことには話は始まらない。そして、863円にある52週移動平均線をクリアした時、ようやく、中勢上昇相場はスタートするとみてあわてずにウォッチングしていきたい。

◆みらかHD(4544)も同様テーマでウォッチングを開始したい。同社は富士レビオとSRLが統合した臨床検査薬大手。今10年3月期連結業績が売上高から純利益まで揃って過去最高を更新といっても株価には織り込み済み。とはいえ、今期予想PER15倍台には割安感があり、手掛かり材料に恵まれれば、08年10月安値1356円を基点とした中勢上昇基調に弾みがつく可能性がある。既に、今週、75日線、26週線から上放れつつある。そして、下値は200日線がサポートしており、その下値では52週線が控えている。昨年11月に付けた高値3120円は、06年8月高値3180円を前に立ち止まったもの。現時点のチャートは栄研化よりも良い。きょうは119円高の285円で終り、出来高は前日比27万株増の63万株。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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