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2011/08/05

◆8月第1週末、日経平均は前日比359円(3.72%)安の9299円と大幅反落した。4日、トリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁がユーロ圏の景気先行きに警戒感を示したことでポルトガルやイタリやなどの債務問題が蒸し返されユーロが下落。欧州株は大幅連続安(ドイツDAX指数は3.4%安し7日連続安)した。米国では5日の雇用統計発表を前に景気減速を懸念した売りが広がり暴落商状となった。前日に9日ぶりに30ドル弱反発したNYダウは一転、512ドル(4.3%)の大幅安で終った。この流れに、東京外為市場で円が対ドル、ユーロで大幅に反発したことが重なり、寄り付き直後に日経平均はこの日の安値を記録、3月18日以来4カ月半ぶり安値に下げた。その後も、アジア各市場が朝方から総売り状況となったこともあり、9300円を挟む軟調展開で推移した。

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◆NYダウは4日終値1万1383ドルに対し50週移動平均線は1万1776ドルだった。週末終値で50週移動平均線を上抜くには5日に383ドル以上の大幅反発が必要だ。もっとも、例え、未達であっても、50週線近くまで戻したとなれば、安値圏で下ヒゲを長く引いた陰線足となり、いったん上値をトライする勇気を投資家にプレゼントすることになる。幸い、5日朝に米労働省が発表した7月に雇用統計で、非農業部門雇用者数は前月比11.7万人増だった。市場予想平均の8.5万人を上回り、失業率も9.1%と前月から0.1%低下した。この数字を受け、朝方、NYダウは170ドルを超えて上げる場面があった。この後、米国株がどこまで切り返すのか注目される。そして、大幅に切り返してきた後、大引けに向かって、上下どちらにふれるのかに注目したい。残念ながら、自力走行が不能となっている東京市場は米国株動向次第だからだ。もっとも、かの国で注目される200日移動平均線は1万1966ドルであり、4日終値から583ドルある。戻り待ちの売りも待っていそうであり、経済指標の好転連発がなければ、上値を試す間に力尽きてしまう可能性がある。日米株とも、基本は「戻り売り」で対応するべきか。そして、短期投資はともかく、中期投資では「売りは早く、買いは遅く」で臨むべきか。

◆直近で紹介の科研薬(4521)は6月14日に年初来高値1185円を付けた後、調整色を強めており、きょうは1026円まで下げ(200日線にタッチ)26週線を割り込んだ。ただ、長期線の52週線は1003円と30円ほど余裕がある。米国発の暴風雨に襲われればひとたまりもないが、引き続きウォッチングを継続したい。●また、ディフェンシブストックの日マクドナルド(2702)は週明けにも発表予定の7月度既存店売上高に注目したい。昨年7月が9.8%とハードルが高く6月以上のマイナスとなる可能性があり、その時、株価が引き続き2000円台を維持できるかどうかがポイントとなるからだ。また、来月発表の8月度も前年が9.2%増と同じくハードルが高く、どこまで達成できるかは、週明け発表の7月実績が参考となるからだ。ちなみに、昨年9月度以降の既存店売上高は、9月が2.3%増、10月5.1%増、11月1.4%減であり、今年プラスを記録できそうだ。そして、12月は11.6%増と飛びぬけて高くなる・・。  

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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