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2008/10/24

◆"ライク・ア・ローリングストーン"。まるで転げる石のように世界株式市場は連日で急落が続いている。日経平均株価は24日、2003年4月28日に付けたバブル崩壊後最安値7603円(終値は7607円)にあと44円と迫る7647円まで下げた。23日のNYダウが急反発したものの、円がドルやユーロに対し大幅高したこと、そして、03年と同様にソニー(6758)が業績予想の減額修正を発表したことから、売りが売りを呼ぶ展開となった。■アジア・太平洋14主要株式市場の星取表は0勝14敗と全敗。韓国、インドの値下り率は10%を超え、日経平均は9.6%の下落となった。厳しい下げとなっているのは、金融不安が広がる欧州のユーロと米ドルも同じ。21日に1ドル=100円台超だったのが、23日に95円台、そして、24日には一時90.93ドルと1995年8月以来の円高水準となった。広範囲な円キャリートレードの巻き戻しを呼び込み記録的な円高局面となっているもの。つれて、海外ファンドなどは投資家の解約に対応すべく保有株式の売却に追い込まれる。追加的株処分が発生し出来高は増え、新安値銘柄が増える展開となる。

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◆ソニーは回復振りが注目されているエレクトロニクス分野でテレビ、ゲームの黒字転換が難しく営業利益が下振れ、為替の前提を7月時点の1ドル=105円から100円に、ユーロを160円から140円とそれぞれ円高に修正したことが減額修正の主な理由という。しかし、ドルは90円とび台、ユーロも117円台と円高が進行している。一段の減額修正さえ囁かれるようでは、1980年6月以来28年ぶりの2000円割れも当然か。●トヨタ(7203)、キヤノン(7751)など輸出関連株に業績悪化を懸念した売りが広がり、日経新聞1月3日正月特集号で今年の注目株人気投票トップとなったコマツ(6301)は6月の戻り高値3440円に対しこの日は122円安の880円と3年3カ月ぶり安値をつけた。

◆日経平均は03年4月安値7603円を割り込み始めると、<1989年末大納会の過去最高値3万8957円(終値3万8915円)を頂点とした超長期の日本株下落基調が続いている>ことになる。アメリカの金融不安に端を発した今回の金融不安が、世界証券恐慌、経済恐慌なんてとんでもない話に広がっていき、20世紀のアメリカの時代が終り、複雑系の21世紀に入ったことの証拠だとしたら、せつないことになる。■24日、欧州株も大幅続落となり、NYダウは8187ドルまでみて、312ドル安の8378ドルと急反落で終った。週明けの東京市場に買い戻し先行も予想されるが、短期的もしくは瞬間的な反騰場面はあっても下落基調転換には至らないとみる。

◆当欄紹介銘柄も厳しい。踏みとどまっているのは29万円台と最高値を視野に入れているセブン銀(8410・ジャス)。75日線沿いの上昇基調のなかでがんばれるかがポイントとなる「TUTAYA」のCCC(4756)。カカクコム(2371)・・。クリスマス頃まで注目はプリマハム(2281)とする。基本は外国人持ち株比率が低く海外売りが限定的な小型材料株。一方、直近は、高負債比率銘柄を避けるのが一番。4ケタ割れのソフトバンク(9984)は戻り売りもしくは見切り売りで対処したい。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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