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2011/08/02

◆2日の日経平均は前日比120円安の9844円と急反落した。1日の欧米株が米国債格付け引き下げ懸念や米国景気減速懸念から続落したうえ、NY原油先物や金先物など商品市況も下落。加えて、外為市場ではNYで円が対ドルで76円台前半と3月の戦後最高値に迫り、東京でも対ドル、ユーロで円が続伸した。さらに、アジア株もそろって大幅反落したことも重なり、1部市場全体の4分の3の銘柄が下落、TOPIX業種別株価指数は前日とは一変、全33業種中30業種が下げた。

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◆1日の米国市場では、米債務問題は危機を脱したとの見方から大幅反発で始まったものの、格付け会社による米国債格下げ懸念があるうえ、(4−6月期GDPの伸びが予想を下回ったのに続き)1日発表の7月ISM製造業景況感指数が予想以上に落ち込んだことから、米景気を懸念する動きが強まり、NYダウは小幅ながら7日続落で終了。S&P500種指数も6日続落した。欧州株もまた続落し、NY原油先物(9月限)は6月29日以来の安値となり、これまで逃避需要が入っていたNY金先物(12月限)も7月29日の過去最高値から反落した。投資家の目は米国債格付け問題の先にある景気動向に移ったようだ。また、欧州での債務問題は先行き噴出する可能性が大きく、なお、燻り続ける悩ましい難題であることに変わりはない。

◆円は1ドル=76〜77円台と内外で戦後最高値に急接近した。が、円高というよりもドル安といった表現が正確な捉え方であり、2001年7月からのドル安上昇基調はなお継続中との見方もある。結果、円高はさらに長期化するリスクは高いという。国内景気は震災復興から浮揚しつつあるが、欧米景気の減速懸念が広がる海外部門が懸念材料となる・・。■もっとも、1日のNYダウは7日連続安の1万2132ドルで終了し、長期相場のポイントである200日移動平均線1万1953ドルにあと80ドル弱に接近した。いったん、買い戻しなどが入っても良いテクニカルな水準ではある。あっさり、200日線を割り込み、さらに下値を探る動きが続くようでは、米国景気回復への期待は一気に剥がれよう。200日線の次は6月15日安値1万1862ドルが第二の砦、そして、3月16日安値1万1555ドルが第3の砦となり、後は、日本流に言えば「三尊天井」を打ってしまい・・・。

◆円高基調が続くならば、開発輸入品を主力とする家具・インテリア販売チェーンのニトリHD(9843)のメリットは大となる。もっとも、株価は、6月に2012年2月期連結業績予想を増額、一転増益見通しとしたことを手掛かりに7月19日にほぼ1年1カ月ぶり高値7990円を付けた。が、サイバー(4751)が5カ月間の高値もみ合いを抜け出せないでいるように、ニトリは09年9月以来、8000円前後の壁を脱せないでいる。買いは、8200円を超えた後かここから大幅に突っ込んだところとみて、ウォッチングを開始したい。●当欄銘柄では、メッセージ(2400)が5日ぶりに大幅反騰し前週つけた年初来高値28万2400円を一気に更新した。特に話は聞かないが、あすも続伸するとなれば、評価は変わることになるが・・。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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