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2009/05/18

◆5月第4週初めの日経平均は前週末比226円安の9038円と大幅反落。一時8997円と5月1日以来の9000円割れ場面もあった。前週末15日の欧米株が下落し、円が続伸、国内の新型インフルエンザ感染者数の拡大が嫌気され、利益確定売りが広がった。TOPIXも急反落し、業種別株価指数では全33業種中、インフルエンザ関連株の繊維株、医薬品株の2業種を除く31業種が下がるほぼ全面安商状となった。

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◆前週末15日の米国市場で、NYダウは金融株やエネルギー関連株が下げを先導して急落した。朝方発表の4月米工業生産が予想を上回るなどして、買いが先行した。が、数行のCEOの交代が必要だと米連邦預金保険公社総裁が発言したと伝わり、政府の銀行介入懸念から売りが優勢となったほか、NY原油先物(6月限)が一時1バレル56.07ドルと2.5ドル以上の下げとなったことが嫌気された。■NYダウは3月9日安値6547ドルから5月8日の8574ドルまで31%の大幅上昇を示現、3週間前から26週移動平均線をプラスかい離しており、「世界景気悲観人気の修正相場は相当進んだ」との見方が広がっている。もう一段上げるには、新たな切り口が必要だ。3月基点の戻り相場も前週で10週を過ぎ、今週は11週目。当欄当初予想の3〜4週に対し倍超の中間反発期間となった。しかし先に、日経平均は昨年11月高値9521円を後18円まで迫ったものの、抜けきれなかった。より、守りの姿勢となるところか。手持ち玉は減らし、守りの姿勢をとるべきか。

◆東証1部で個別値上がり率上位に並んだのは新型インフルエンザ関連株もしくは、無関係も低位繊維株として値動きの良さに思惑買いが入っただけの銘柄群。7位となった医薬品商社のイワキ(8095)を除きベスト10のうち9銘柄を3000番繊維コードが占めた。そして、7位までがすべてストップ高の終値となった。■国内感染者数が急拡大するのではないかとの危機感が高まるなか、東京証券取引所も18日、「代表執行役社長を本部長とする新型インフレエンザ対策本部を設置した」と発表。従来とはまったく違った、身の回りに迫ってきた事実として、目先資金の思惑買いを呼び込む相場が続く?●当欄では03年に中国でSARS(重症急性呼吸器症候群)が大流行した頃から人気化、05年9月に8500円の上場来高値を付けたシスメックス(6869)が「検査薬増産」報道で朝方高値を更新した後、上げ幅を急縮小したが、もし、週足で「窓」を開けた3280円を埋めにいく相場となった時は押し目を拾う好機とみる。■もっとも、ここから先、新型インフルエンザ感染者数が急拡大するとなると、個人の「外出控え」などが懸念される。あの手この手で消費拡大を図ろうとの麻生太郎首相の思いを打ち砕く、一段の経済悪化の引き金となりかねない。

◆14日号紹介の加工食品卸大手の加藤産(9869)が3日続落。昨年11月以来52週線が下値ネックラインできょう現在は1360円にある。全般相場を横目に買い場を探したい。上値ネックラインが1500円台後半ということから、52週線割れまで待つべきか。また、加工食品卸最大手の菱食(7451)は昨年10月安値1200円が大底となって、下値、上値とも切り上がる展開が続いている。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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