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2007/05/08

◆日本株はのらりくらりしながらも過去最高更新が続く欧米アジア市場の後を必死に追いすがろうとしている構図となっている。きのうの活気が嘘のように静まりかえるモミ合い展開、とは直近続いている動きを言う。しかし、上値は重いものの、下値もまたしっかりで、投資の機会はずいぶん多い!先に「(日本株は)意気地なし」と記したことが何度かあるが、昨年来、個人投資家の多くが市場に距離を置いたままで、市場参加の投資家層が極めて限定的となっていることが一因。市場は、価値観の違う投資家がそれぞれの考え方で参加することに、株価は最大公約数的な評価に洗練されていくものだから・・。ただ、日本株軟調の説明に、「日米の景気の先行き不透明感が払拭しきれない」とよく評されているが、これは、単に、自分が積極的に動いていないことの言い訳に過ぎない。それとも、NYダウや欧州、アジア市場が4月中旬以降、ほとんどノンストップの過去最高値更新を続けていることは、市場が景気・企業業績判断を間違った結果か?そんなことはない。

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◆いずれにしても、新興市場は厳しい展開が続いているが、日経平均、TOPIXを見る限り、相場の先行きを楽観視してよい。市場体温計・新日鉄(5401)は、25円高の877円まで買われた後は、直近の急騰を見た利益確定売りが広がっていった。群団の太平工(1819)は2月の年初来高値に1円未達で終り、新和海(9110)は高値更新後に下げに転じた。が、現時点では、あわてる必要はない。

◆一方、元気だったのは原子力発電関連株。しかし、これもあまりせっかちになる必要はない。米国で史上最高だった73年の原発発注は41基だったが、その後78年以降途絶えたままだ。日本では原発完成は15年3月期がピークとの見方があり、米国では、08年までの間に電力会社が新設の許可を申請し、許可が下りれば、14年〜16年に運転を開始できるとの見方がある、といった具合だから・・。とはいうものの、●東芝(6502)は、3日続伸し、連日で90年9月以来の高値水準を走っている。●そして、原発部門の売上構成比が28%と上位にある東芝プラシス(1983)は一時2日安値比150円超の急反騰となった。が、チャートは先の急落時に腰折れ状態となっており、まだ上下値動きは荒っぽそうだ。中期突っ込み買いとしたい。●原発圧力容器、加圧器などで世界シェア8割といわれるのは日製鋼(5631)だが、株価は、きょう89年2月の上場来高値1550円を突破した。引き続き、全般反落局面での押し目買いを推奨する。●先に、長期強気推奨銘柄とした岡野バルブ(6492・東2)は直近の急騰劇もあって反落している。しかし、700円台前半水準への初押しがあれば狙いたい。

◆個別では、近畿車両(7122)に注目。続伸し年初来高値を更新している。20年ぶりの生産増強へ生産ラインを倍増するという。株価は昨年来の三角保ち合いが煮詰まっており、24カ月線に下支えされての上昇基調を鮮明化している。●日本精線(5659)が9日続伸。親会社の大同特殊鋼(5471)が三角合併対策へ自動車4社に出資を要請した。同社は大同特鋼系列だが、2月下旬高値732円からの調整を終え、上放れが期待される。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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