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2007/04/26

◆「重い腰をようやく上げたか!」。これまでNYダウの連騰にピクリとも反応しなかった日本市場だが、NYダウの初めての1万3000ドル台乗せに欧州、アジア市場が軒並み高となったのを見て、ようやく3新興市場を含めた全市場が上昇した。連休や3月期決算発表の前半のヤマである27日を控えて低調だった出来高だが、東証1部市場は5日ぶりに20億株を越えた。前日、それまで見捨てられていたような新興市場が反応を見せ「おや?」と思わせたが、この日、中心にあったのは本欄が前号で嘆いてみせた新日鉄(5401)だった。3月7日に89年5月以来ほぼ18年ぶり900円を付けた後、調整色を強めていたが、前日に743円まで下げていたことから、リバウンド狙いの買いや買戻しが先行した。同社も27日に決算発表が予定されている。一足先にこの日後場取引時間中に発表したJFE(5411)の前期経常利益は従来予想を上回り、1%減にとどまった。そして、今08年3月期予想を前期比1%増とし、2期ぶりに過去最高を更新する見通しとなったことから、新日鉄株も決算発表を先取る格好で買いが広がった。出来高1億5000万株は4月3日以来の大商い。これで、値幅調整が終了するかが注目点。そうなれば、あとは日柄調整が残るだけ。日電工(5563)、新和海(9110)など新日鉄群団銘柄がここまで高値を追ってきて、新日鉄の露払いとなったと見ても良い。

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◆日本市場は、週明け2日間を除き休場となるが、その間の米国株動向は気にかかろう。といっても、ここまでNYダウの新値追いに無反応だった、日本市場が、米景気の先行き懸念による軟調展開入りに、ツレ安する必要はないが、「意気地なし」といわれた日本市場さて・・。ちなみに、ここまでしきりに懸念されてきたのは「今3月期から実施される減価償却制度見直しに伴う営業利益押し下げ」だが、もともと、会計検査の厳格化もあって、企業は慎重な数字を打ち出してくるはずであり、会計制度の見直しはその陰に隠れる格好となる。また、慎重予想を常とする企業もある。ファナック(6954)などは過去10年間で期初に今期増益見通しとしたのは2度しかない。が、直近連続2割超の経常増益で着地した例もある。そのファナックが今期1%ながら増益予想を発表したのだから、企業の今期設備投資も堅調と見てよいだろう!?一方、前期減収減益で、今期2%弱の経常増益見通しにとどまった半導体試験装置のアドテスト(6857)は売られた。悪材料織り込み済みとなるまでにもう少し半導体市場の動向を見つめる必要があるとの見方であろう。短期的には「業績好調組買い、苦戦組売り」の図式となろうが、一筋縄でいかないのが市場。パターンを決め付けないでテクニカル面やテーマ性なども見つめて判断したい。

◆前日高値更新したフジテレビ(4676)は利益確定売りが優勢となり逆に急反落に転じたが、半世紀ぶりの放送法の改正の与える放送業界、中でもキー局への影響は大きく、相場も陣取り競争もこれからが本番だ。キー局各社株は「中期押し目買い」で臨みたい。◆短期的に人気となっているのが「羽田空港拡張工事」関連株。三愛石(8097)、空港ビル(9706)などが相次いで好人気となっている。三愛石に関してはこれまで強気で紹介してきた通り。高値に飛びつく必要はないが突っ込み場面は拾いたい。●岡野バルブ(6492・2部)は野村証が新規に投資判断「2」とした。「強気」継続。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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