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2012/03/27

◆日経平均は1万255円と続伸し昨年3月11日の東日本大震災当日終値を突破。3月10日以来ほぼ1年ぶり高値で引けた。26日の欧州市場で、ドイツ3月企業景況感指数が市場の予想を上回り景気懸念が後退と市場は読んだうえ、メルケル首相が「欧州安全網の一時的な増強に応じる」と表明。従来の頑なな姿勢を転換したことから、「ユーロ買い円売り」が進んだ。米国では、バーナンキFRB(米連邦準備制度理事会)議長が失業率は低下しているものの雇用情勢について慎重な見通しを示したことから、量的緩和第3弾(Q3)観測が広がり米株も大幅に続伸。東京市場では朝方から幅広く買いが先行。後場は買い戻しや3月期決算銘柄への権利取りの買いが入り上げ幅を拡大していった。

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◆欧州ではギリシャに続き、イタリア、ポルトガルなどの債務懸念が透けて見えるなか、規律緩和に極めてシビアな対応しかしてこなかった独首相がもう少し融通が利くようになるのかどうか?は前日の一件だけでは判断が付かない。一方、米国では金融緩和がじゃぶじゃぶの金余り状況を生み、投資・投機市場が一段の過剰流動性相場に発展する前夜か?東京もまた、2月14日の日銀による予想外の金融緩和策発表がきょうの震災後高値につながったものだ。今春の世界同時株高は、リーマン・ショック後にはあった新興国の経済発展が期待できないなか、再度、金融緩和に頼ることに。NYダウはすでに昨年5月高値を突破済みだ。しかし、日経平均は昨年3月以来の高値圏にとどまる。08年10月安値6994円を大底とし、昨年11月安値8135円を二番底とした中勢上昇基調入りが確認できるには、10年4月高値1万1408円クリアが不可欠。あと1200円弱だが、売買シェアの6割超を占める海外勢の動き次第だ。そして、「本国の株価上昇、比較割安感から日本株買い」となるしかない!?

◆昨年は東日本大震災に加えタイの洪水とダブルパンチで日本の製造業はサプライシステム(部品供給網)が崩壊。厳しい冬がようやく終りを告げた日本で、今夏は冷夏ならば(コメは不作、夏物セールは不振)、猛暑ならば、国内全54原発の運転停止(5月5日に最後の北海道電力泊3号機も停止し検査期入り)で、中国電(9504)は昨夏並みの暑さならば原発停止でも安定供給というが、関西電(9503)は厳しく、東電(9501)は原発供給能力合計1730万キロワット(東電全体では昨年3月末で6500万キロワット、その4分の1程度)が止まっており、火力発電などで原発無しの夏を越えようとする。が、猛暑ならば、昨年3月の強制的な送電停止が再びある?それで無くとも需要不足の日本経済、景気への影響が懸念されるが、政府の動きはないと見るべきで、心配の種となる!

◆注目銘柄は内需関連を中心とする当欄だが、チャート片手に引き続き中期上昇基調銘柄から選ぶ。リスクは日経平均の失速。海外ヘッジファンドは直近、「円売り株買い」で動いているが、逆に振れるリスクもある。●先に記した「介護から看護」に軸足を移したことで注目したいニチイ学館(9792)は昨年3月安値から倍加目前。13週線沿いの上昇基調が続く2ケタ増益、PER13倍台銘柄。通常下落時ならば13週線接近を待ち、拾いたい。●マクドナルド(2702)はかえって2100円台の頑強な壁を取り払った2200円台乗せから買っていくべきか。●WNIウェザ(4825)は再注目し様子見。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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