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2006/06/05

◆東証1部市場の出来高は急減し、平均株価、TOPIX指数が反落した。値下がり銘柄数は1062と拡大した。先週末から逮捕は時間の問題と見られた“村上ファンド”を率いる村上世彰氏が前引け後に東証で記者会見し、ニッポン放送に関わるインサイダー取引容疑を認め、ファンドの運用からの撤退を表明。午後には逮捕された。村上ファンドの保有株は先週末にかけ不安定な動きが続いたが、きょうはストップ高銘柄がでるなど材料出尽くし感が広がった。関連銘柄といわれる21銘柄の内15銘柄が上昇した。ただ、ファンドの資金の半分以上を米国資金が占めているといわれ、村上氏とファンドに対する訴訟リスクは残る。99年の始まりの時、300億円前後だといわれた運用資金はその10倍超の4000億円前後に膨らんだという!

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◆村上氏逮捕に絡みテレビが映した街行く人の声には、「汗を流し働くのが一番」という1960年台前半までの“貧しい時代の日本”のままの声が相変わらず多かった。手に汗し、額に汗することは当然必要だが、ただ汗すればいいというものではない。60年代後半からの<大量生産大量消費の時代>はとっくに終わっている。知恵が必要であり、付加価値がなければ捨てられる。新たな発見がなければ、巨大産業でも手仕事でもその存在理由を失う。<例えば、最貧国では6円を得るために、1個1円のものを6個つくるが、中流国では2円のものを3個作る。そして豊かな国では1個6円のものを1個作って6円を得る>とは、筆者の先輩の90年台前半の教えだ。当時のトヨタ(7203)の車つくりは2番目のレベルだった。今ようやく1番目のレベルに到達しつつあるところ。三菱自(7211)は?やや2番に近いレベルか)。恐いのは、日本では目立つファンドは「出るくいは打たれる」を地でいくように、次々と締め付けられるとの認識が世界に広がること。その時、海外資金の腰が引ける?

◆鉄鋼株は多く反落したが、業界先鋒役の東京製鉄(5423)は94年10月以来の高値を付け、JFEHD(5411)は新生しての上場来初めて5000円台に乗せた。鉄鋼株の中でもチャートの良い2銘柄が先行しての鉄鋼株全般のかさ上げ相場入りが期待される。足元業績はアジアを中心に順調見通しある。遅れて出番を迎えるであろう新日鉄(5401)が動けば鉄鋼株人気は本番。■今週のWebサイト銘柄は前週末本来紹介のマルハ本社(1334)と先週末の10万円割れで悪材料を織り込み、リバウンドを狙えるとした本欄おなじみのインデックス(4835・ジャス)だ。インデックスは3度目の紹介だ。マルハは信用倍率0.65倍(5月26日現在)と売り長であり需給も良い。昨年7月の新生上場来高値338円は目前だ。■東証1部市場は主力株から反落したが、2部市場やヘラクレスまでの新興市場は急伸した。1月のライブドアショックに続く村上ファンド崩壊で個人投資家は2重の傷を負ったが、逆に、悪材料が表面化したことで関連銘柄を含む多くの銘柄への不安感は薄らいだとみてよさそうだ。●不動産ファンドのダヴィンチ(4314・ヘラ)は2日の年初来安値9万3000円を基点に75日移動平均線の14万3000円台、もしくは26週線の1万5500円前後までの反騰が期待できそうだ。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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