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2008/09/08

◆週明け8日の東京、アジア株式市場は大幅反発した。米政府が7日に発表した政府系2住宅金融機関の政府管理、救済を手がかり材料としたもの。為替市場では急激なドル高円安となった。米ファニーメイの株価は1月高値40.45ドルから約87%下落し、8月21日に3.53ドルまで売り込まれ、フレディマックは1月高値34.68ドルから、8月22日に2.50ドルまで下落した。もっとも、今年3月、米政府が証券大手ベアー・スターンズを救済した時も、金融不安が一時的に後退したとして世界同時株安が一段落し、6月の戻り高値まで3カ月弱の世界株式反発局面を迎えた。しかし、今回の米政府による2住宅公社救済が、3月の救済劇が不発に終った学びを教訓に市場が待望した世界的な金融不安の連鎖を断ち切ることができるかは疑問。米住宅価格が上昇し、住宅市場が立ち直らない限り、応急措置でしかない。

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◆確かに週明け8日、金融・不動産株は世界各市場で急反騰した。今春来積みあがってきた売り方の買い戻しにリバウンド狙いの買いが流入した。アジア・太平洋15市場星取表は中国の大幅続落があったものの12勝3敗となった。

◆東証1部では、値上がり銘柄数が全体の89.7%、1543銘柄に達した。そして、銀行業の値上がり率は12.1%、その他金融10.5%に続き、証券・商品、保険は9%を超え、不動産も8.4%の上昇・・と金融・不動産株の上げが突出した。当欄がディフェンシブストックとして注目の医薬品業はわずかな上昇にとどまり、電気・ガスは空運、紙・パ業とともに下げた。東証1部値上がり率ランキング上位20銘柄中18が金融、不動産・建設株だった。

◆米国株は8日、ハイテク株の多いナスダック指数のもたつきのシリをたたくように、NYダウが300ドル近い大幅続騰となった。底から這い出す初速の速さは、これまで売り込んできた弱気の量を示すもので、東京市場を上回る。数日は続く勢いだ。

◆もっとも、米住宅市場好転といえども日本の不動産・住宅市場が同時に好転するという保障はなにもない。そして、ショートカバーによる買い戻しには限界がある。まして、誰が、自民党総裁になっても存在感は乏しく、先がみえにくい日本の状況に変わりはない。銀行・不動産株は「飛び乗り飛び降り」をなんなくこなせる投資家のみ参戦可といえる。●1部値上がり率トップの日綜地所(8878)の場合、昨年2月高値3600円から一本調子の下げで今月3日には134円の上場来安値をつけたばかり。そこからストップ高をまじえ3連騰で、282円引けとなった。今09年3月期連結業績は物件の採算低下が響き、経常利益は34%減の70億円見通しだが、予想PERは3倍割れ。創建ホームの民再法適用申請など新興不動産に対する警戒感が信用売りを膨らませ、信用倍率が1.20倍と逼迫していることもあって目先資金の買いを誘った。■こういう場合は、金融株でも当欄推奨株のセブン銀(8410・ジャス)ではなく、売り込まれたメガバンクや首都圏・近郊の地銀株、横浜銀(8332)やスルガ銀(8358)に歩がある?携帯電話サービスで特異な存在の日本通信(9424・ヘラ)のチャートが煮詰まっている。昨年9月上場来安値を大底に26週沿いに上昇基調を刻んでおりここから注目!

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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