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2011/12/05

◆イタリアは今週後半に欧州で予定されている2つの債務危機対応会議を前に、総額300億ユーロ=約3.13兆円の緊縮財政策を閣議決定したと発表した。一部報道では「ユーロ圏の中央銀行が債務危機封じ込めのため国際通貨基金(IMF)を経由した資金供出安で、規模が最大2000億ユーロ=約21兆円になる公算・・」などの報道もあった。今週後半、8日には欧州中央銀行(ECB)理事会が、8−9日には欧州連合(EU)首脳会議が開催される。依然、今週開催のサミットでも債務危機を解決できないとの懸念は強い。ここまで、イタリア、スペイン、ギリシャなど南欧の債務国の弱みに付け込んだ市場の売り攻勢が続いてきた。しかし、「マダムNO」と揶揄されるEUで突出した経済大国ドイツのメルケル首相は、「規律を乱し続ける」南欧の面倒を見るのはお断りの姿勢を崩してこなかった。これまで、世界の各市場は、どこの国の誰が何を語ったか、何を約束したかに一喜一憂してきた。が、今週の会議以降は、「債務危機回避に向け、何をどう実行したか、問題解決に向けスピードが上がり、どこまで成し遂げたか」が、各市場の判定基準になるのではないか?多数の国家の思惑が絡まるなかで、一足飛びに困難を乗り越える方法は、全てが煮詰まっていった後にしか見えてこないか。 

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◆幸い、米国の景気は少し陽が射しはじめた?感謝祭後に好ダッシュした年末商戦が引き続き好調に推移していくのかどうか?2日発表の11月雇用統計では、非農業雇用者数は市場予想の線である前月比12万人増となり、失業率は前月の9%から0.4%低下した。米国の課題は「雇用と住宅」問題の解決。一方、欧州債務危機に対する楽観的見方は、南欧だけでなく、欧州全体が言葉ではなく行動し始めて生まれてくるもの。「8月の壁」を登るのは険しいが、ひとつヤマ場を越えれば、前に向かう足はよりしっかりしたものになる。

◆日経平均はこの日、中期相場を読み解く75日移動平均線、13週線を10月下旬以来1カ月超ぶりにクリアした。依然、市場エネルギーは乏しく、海外、特に、米国頼みから抜け切れない。が、今週末にかけての欧州の会議次第で、じわり、上値を試す動きがあっても不思議ない。■海外景気回復期待となれば、日経平均指数寄与率も高いファナック(6954)になり、半導体市況が反転となれば同じく指数寄与率の高い東エレク(8035)の相場反転が期待されるが・・?東エレクは52週線をクリアできていないが、ファナックは前週の急騰で回復済み。両株式とも指標銘柄としてウォッチングしよう。また、ファナックにからみ当欄ではナブテスコ(6268)、ハーモニック(5324)も注目株としている。ナブテスコの200日線もしくは52週線回復後の相場に期待。

◆一方、内需は足元主軸、日マクドナルド(2702)はカタツムリ的スピードで着実に6月以来の2100円台を回復。時間をかけてあげてきた分、持続力は強力!?●朝日インテク(7747)は52週線に支えられて2000円台の壁を突破。7月高値に挑む。●大塚HD(4578)は来週、株式上場1周年を迎える、その間、2100円を中心にもみ合う相場で推移してきた。統合失調症治療剤大手として市場が見直しつつあり、1年間溜め込んできたエネルギーの解放の時が近づいている?

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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