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2008/07/16

◆NY原油先物(8月限)は、7月11日に1バレル=147.27ドルの過去最高値をつけた後、15日に大幅下落し一時135ドル台を付けた。これを受け、「米国の金融不安と景気後退」懸念が一時的に低下、16日の東京市場は、1ドル=103円台への円安ドル高進行はあったものの、TOPIXは続落となったものの、日経平均株価は指数先物が先導し4日ぶりに小反発となった。アジア市場星取表は7勝8敗、香港市場など「米国の金融不安と景気後退」懸念が買い手がかり材料となった。この流れは欧州市場にも続き欧州株も反発、米国株も買い戻しなどが優勢となった。しかし、原油価格が下落したのは、欧米、アジア各国の景気鈍化に伴う「原油需給の緩和」を読んだ投機資金が、利益確定売りを膨らませた結果といえる。決して、手放しで喜べるわけではない。原油価格はこの後、「当面の妥当価格を探る」動きか。100ドル割れとなれば幸いなことだが、代替エネルギー開発の意欲が後退する可能性がある。「今回の原油高騰は、限りのある炭素系燃料にいつまでも頼らずに、再生可能な自然エネルギーの利用に向け法律、制度、税制・・など政策を転換せよとの人間に対する迫り」と捉えるべき面もある。15日には「燃料高で出漁しても赤字続き」の全国漁船が一斉休業という事態になったが、先には、賞味期限切れといって大量廃棄を続けるグルメ大国日本は、実は、金がなくなれば海外から食料調達が出来なくなる低食料自給率の「食断」リスクが指摘された。

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◆日経平均は、6月6日の戻り高値1万4601円から16日の直近安値1万2671円まで13.2%下落。1万2583円にある月足ベースの一目均衡表で「雲」と呼ばれる抵抗帯の下限に迫った。本来なら、「ここで3月安値に対する二番底を形成して・・、本格反騰に向かう」といいたいところであるが、急反発はあっても長期下落後の「売り方の買い戻し」と捉えるべきであろう。その場合、「直近の堅調銘柄よりも、大きく叩かれた銘柄ほどリバウンドは大きい」ものの、時間的には限定されよう。

◆よく下げた組の目先反発は、やはり、米金融不安による銀行株、不動産株、証券株・・か。円高要因の自動車株、エレクトロニクス株・・は厳しい。が、2000円台割れを回避のアドバンテスト(6857)を短期狙い。■NTT(9432)の動きが鈍いのが気になるが、JR東海(9022)はじわりと下値を切り上げ、上値を伺う格好となってきた!昭シェル石油(5002)は原油価格軟調が足元を暗くさせている。■もっとも、直近の当欄は「好チャート、割安、不人気株」発掘をもっぱらとしている。前号紹介の自転車店チェーンあさひ(3333)は自転車人気を背景に3〜6月度の月次販売が好調に推移している。既存店で2.1%増、全社で15.7%増だ。●パソコン周辺機器のエレコム(6750・JQ)が、6月につけた分割落ち後高値に急接近している。6週移動平均線沿いの好チャートが続いており、今3月期連結業績が好調でPER17倍台は割安だ。一段高の相場を期待!●コンビニなどの最適発注へ気象情報などを提供するウェザーニューズ(4825)は業容拡大期待から中勢上昇相場にむけ、「強気」の買いとしたい。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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