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2013/10/31

◆10月末の東京株式市場で、日経平均は前日比174円安の1万4327円と反落し、前日に回復した1万4500円台を割り込んだ。9月末比では127円安で終了したことになる。30日の米国市場では、FOMC(米連邦公開市場委員会)が現行の量的緩和策の維持を決定した。NYダウなど株式相場は前日の過去最高値から反落し、円売りドル買いの動きとなり円は4日続落した。日経平均株価は午後に小幅高場面があったものの、前日、日経紙が「大手3社の4−9月期連結業績改善」と報じ値上がり率トップとなった海運株だが、この日前引け後に郵船(9101)と商船三井(9014)が通期連結営業利益予想の減額修正を発表したことから一転大幅安に転じ、他の企業業績への懸念も浮上したもよう。日銀はこの日の金融政策決定会合で中立的な政策の維持を決定した。続落で始動した円だがその後、下げ渋ったことから14時台半ば以降は利益確定売りが拡がる展開となった。■さて、海運株だが、前号では「ウォッチング」としたが、上記のように、大手2社が今期通期営業利益を減額修正した。この日、円が限定的だが下げたことはいいが、軟調展開が続いたわけではない。趨勢的な円安展開が確信できるにはアベノミクス景気は強すぎるともいえるのだが・・。郵船は上半期の営業利益は200億円と従来予想の195億円を上回り着地したが、通期営業利益は465億円から420億円に減額した。前号で記したように、景気要因以外に、金利や為替、そして、海運市況が海運株の業績変動要因となる。特に、バルチック海運指数は、今年10月8日に2146ポイントと昨年10月25日(2161)以来の高値を付けた。しかし、1年後の今年10月30日には10日連続安し1484ポイントまで下げ、9月9日(1478)の水準に逆戻りした。もっとも、今年6月19日に995ポイントだったのが、米国の金融緩和策に反応して、有象無象の投資資金が流入した結果2000ポイント台を超えたのだから、米金融緩和縮小がずれ込む・・など状況が変われば、ロシアのバルチック艦隊は日露戦争で粉砕されたものの、バルチック海運指数は金融状況次第で復活場面がある?が、当面、海運株は「ウォッチング」が懸命であろう。

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◆一方、プリマハム(2281)は210円を挟んだ小動きから吹っ切れないでいる。ならば、11月6日の決算発表前後の動きを見た後動きだしても遅くないか?いずれにしても、200円とび台では打診買いはしたいものだ。●また、筆者注目の東芝プラ(1983)は同社の控え目すぎる決算発表時代は今期から終了したようだ。この日大幅反発した。というよりも、前日の暴落分をほぼ埋めた。同社が後場中に発表した今3月期上期連結経常利益は前年同期比30.6%減の48億円に落ち込んだ。しかし、同時に発表した上期受注実績は同73.0%増の1236億円と大幅に増加したことを注目した買いが向かったようだ。受注の伸びは発電システム部門で海外の火力発電設備等のエネルギー関連システム分野が伸び、社会・産業システム部門も太陽光発電設備などの案件が大きく伸びたものだ!足元の悪い部分ではなく、受注の大幅増に伴う、先行きの業容拡大を期待した買いが先行したようだ。中期線に沿った長期上昇基調の週足チャートをぜひ御覧あれ。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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