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2012/01/05

◆当たり前だが、2〜4月に控えているイタリア(1414億ユーロ)を中心とした債務償還の正念場を控え、欧州の株価は上値が重い。4日にはイタリア最大手の銀行(ウニクレディト)が75億ユーロ(約7500億円)規模の株主割当増資を発表したが、なお、更なる増資による資金手当てが必要だと表明した。イタリア政府は今春のヤマ場をどう乗り越える?また、スペインの債務問題も気にかかる・・、結果、欧州景気後退懸念が高まることがリスクとなっていく。一方、米国はといえば、欧州の戦争だった第1次世界大戦中のように、欧州債務危機をよそに、ひとり、景気・企業業績は順調。投資家が指標とするS&P500種指数は昨年5月高値1370に対し4日現在1277ポイントと90ポイント強となお距離はあるが、NYダウは4日に1万2418ドルまで付け、昨年5月高値1万2876ドルにあと458ドル、3.7%弱と射程距離内に捉えつつある。13週線は長期線である50週線にあと4ドルと急接近した。そして、週足チャートはゆっくりと好転しつつある。

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◆一方、東京といえば、18日連続で日中値幅100円未満(特に、昨年大納会からは3日連続で30円幅そこそこの日中値幅にとどまっており、投資家不在と言える無風)と何の期待感も生まない日経平均の動きだ。それでも米株にアシストされ上値を試す?

◆この日、昨春に再生医療関連として期待していたセルシード(7776)が150円高の1009円とストップ高し、ストップ高買い気配で32万株の買い注文を残した。当時2190円の最高値をつけたが、その後は右肩下がりで下落。昨年大納会前日には693円と上場来安値圏に沈んでしまった。同社の再生医療については何度も記した・しかし、研究開発費が先行するとあって、単に「投資は長期で良し」とならず、収益の華が咲く時が読めないまま、相場は下落していった。当欄で昨年1月から紹介していた「角膜再生上皮シート」について、野村証券が4日付けリポートで、「欧州での製造販売承認は2012年内に取得できると見込む」と指摘。ピークの欧州売上高は93億円に達する可能性があるとし、新規に投資判断「買い」、目標株価1430円としたことが買いを誘ったもの。当欄が、「昨年暮れの地獄から一転、やっとひと息つける」といえないのはいかにも情けない話。バイオベンチャー株の売買の難しさを教えてもらった銘柄でもある。

◆当欄注目株のひとつ栄研化(4549)は薬品関連株が動きの鈍いなか、52週移動平均線沿いに三角保ち合いから抜け出ようとする構えにある。ただ、昨年2月以来1100円台が上値ネックラインとなっており、この壁を突破しなければ、話も相場も一歩も前に進まない。春の薬価改定を控え薬品関連が相場の前線にいないのも苦しい。今しばらく、1100円台にどう挑むかを考えつつウォッチングを続けよう。 

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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