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2006/05/25

◆通称“村上ファンド”が経営を投資目的に掲げた。キャピタルゲインを得ることを目的に投資してきた投資ファンドが、「投資先である阪神(9043)の経営権を握り、自らが会社経営をする」罠に囚われようとしている。形は違うが、筆者が長年勤めた証券会社を舞台にした投資グループ「誠備」による株式買占め劇が1980年から81年1月にかけて社会的話題になった。なかでも宮地鉄工(3431・現宮地エンジニアG)を舞台とした仕手戦は最後、経営陣派遣へと進んでいった。79年11月に株価201円の同年最安ねを付けた頃には彼らの買いはかなりまとまっていた。そして、80年8月28日の上場来高値2950円まで突っ走っていった結果が意図せぬ経営陣派遣となったもの。結果は何にも生まなかった。翌81年1月の「誠備」グループ総帥・加藤嵩氏の脱税容疑による逮捕で一連の誠備関連の動きは全て終った。始まりは、都内の土地の含みに目をつけた低位信用銘柄買いの一貫だった。それ以前、加藤氏は買い占めた株式を間にフィクサーを通じて会社側に引き取らせたり{岡本理研ゴム(5122・現オカモト)}、別会社に売り渡したり{緑屋、現クレディセゾン(8253)}した。日産農林(7961・現兼松日産農林)の場合は、何度も買い集めに挑戦しては失敗を繰り返した後、ようやく95年1月阪神大震災後の400円前後から翌年7月の5210円まで上昇させ大相場で飾った。ルック(8029)では新たなグループを結成し02年から03年7月にかけて株価10倍化を実現させた。加藤氏はこれまで、何度も挫折しながら話題を振りまいてきたが、仕手筋としての役目は終わりに近づいたようだ。金融庁以下の証券会社営業に関する監視は厳しく、従来手法は取れなくなった。そして、勢力を伸ばしてきたのが「投資ファンド」を使ったものだ。村上氏は海外に拠点を移し自由度を高めた。しかし、阪神株を47%弱買い集めてどうする?経営権を奪い鉄道会社(というよりも土地、百貨店、球団など)を手にしたところで、分解して部分部分を売り飛ばしても投資金額に見合うリターンを得られる保証はない。また、経営現場に足を踏み入れたとしても現場を知らない彼らに何ができる?経営数字とだけ格闘する?それとも宮地鉄工の時のように、企業経営者を引っ張ってくる? 阪急(9042)は村上側の言い値で買う必要はない。待てば村上ファンド側が折れてくるはずだ。

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◆世界の株式、原油先物、非鉄・貴金属市場の環境などが想定以上に厳しい状況になりつつある。4〜5月高値後、1日ごとに上げ下げが激しくなり<方向性を失いつつあるように見える>。高値波乱期の特徴であり、上下どちらかに大きく放れる可能性が高い。そして、上ではなく、下に向かう可能性が高まった。阪神株には欲の皮がこけるほどの売りが続く可能性だってある。きょうのアジア株で高かったのは中国とインドだけで、2勝14敗だった。東京市場はきのうの急反騰などなかったように「何もない1日」だった。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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