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2015/11/10

◆日経平均株価は前日比28円52銭(0.15%)高の1万9671円26銭と5日続伸し8月20日以来ほぼ2ヵ月半ぶり高値水準に戻してきた。朝方は、欧米株安もあり利益確定売りが先行した。後場下げ幅を縮小する展開となるなか、発表された10月企業倒産件数、景気ウオッチャー調査が改善を示したことを受け、14時台に入り上げに転じ、ほぼこの日の高値水準で終了した。なお、企業倒産件数は前年同月比7.3%減少し、同月としては1990年以来25年ぶりの800件割れとなった。

 また、街角景気も景気の実感を示す現状判断指数が3カ月ぶりに改善しており、景気が勢いを増しているとの見方が広がり買いを後押しした。ただ、1部市場全銘柄の57%にあたる1090銘柄(日経平均指数採用銘柄では116)が下げており(値上がりは701、同100)、東証株価指数(TOPIX)は1.49ポイント(0.09%)安の1589.48と5営業日ぶりに反落。日経平均はファーストリ(9983)の880円(1.88%)高など指数寄与率の高い銘柄がポイントを稼いだ格好となった。一方、JPX日経インデックス400は5日ぶり反落した。

 出来高は前日比4.45億株減の20億6925万株と後退、前月29日に1ヵ月ぶりに27億株の高水準を記録したが、前週の郵政(6178)など新規上場人気があったものの、全般出来高はやや低調推移が続いている。業種別株価指数は紙パルプ2.82%安、電気・ガス1.82%、石油・石炭1.25%、鉱業、その他製品、非鉄金属、海運など19業種が下げ、医薬品1.00%高、精密機器0.71%、銀行0.57%、機械、建設など14業種が上昇した。

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◆この日、日郵政は53円高の1755円と3日ぶりに反発し、かんぽ生命(7181)、郵貯銀(7182)もまた3日ぶりに反発した。なかで、出来高が増加したのは郵貯銀、50円高の1720円引けとなった。一部報道で「政府・与党がゆうちょ銀とかんぽ生命の預け入れ、契約限度額を引き上げる方向で調整に入った」と伝わったことが買い材料視された。民業圧迫を避けるための規制として、ゆうちょ銀への預け入れは定期、定額貯金ともに1000万円が上限となっている。が、「市場では、政府の保有株数が減ればいずれ上限は見直される」との報道もあった。日郵政もまた引けにかけ一段高となった。

◆SCREEN・HD(7735)が46円高の797円と大幅に続伸し4ヵ月ぶりに52週移動平均線を回復した。一時、805円と6月26日以来の800円台回復場面もあった。筆者証券時代から馴染深い企業だが、長年の5月安値からの反騰相場が新たな展開に入ったといえそうだ。9日発表の15年4〜9月期連結決算は半導体製造装置販売が好調に推移しており、経常利益は前年同期比62%増の106.19億円と大幅増となった。もっとも、人気薄銘柄とあって、買い一巡後は利益確定売りなどで高値もみ合いと重い動きに・・。明日以降も利益確定売りに失速展開となりそうだ。

 ただ、半導体業界では、スマートフォンやデータサーバー需要増からメモリーメーカーの設備投資が堅調に推移しているうえ、IoT関連の電子機器需要増もあり、200mm以下のウエハ対応の装置市場での需要も拡大の動きが見られた。半導体製造装置は国内や台湾向けに販売が増加した。半導体事業の売上高は8.2%増の819.9億円、営業利益は26.7%増の79.18億円と伸びた。短期突っ込み場面では「様子見」とし52週線水準まで下げれば押し目買い。あるいは、再度、勢い付いたところから「追撃買い」とする。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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