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2006/01/06

◆不動産株が下げ止まらない。銀行株も軟調展開が続く。一方、米国株がハイテク株に先導される形で上昇していることから、東京市場でもハイテク・セクターの昨年来高値更新が相次いでいる。半導体株では米国で指標となっているフィラデルフィア半導体株価指数が5日、508.54ポイントと12ポイント弱上昇し、2004年4月以来の最高値となったことから、日立、NECの合弁会社で国内唯一のDRAMメーカーであるエルピーダ(6665)がストップ高に買われ、アドバンテスト(6857)は直近12日間で11勝1敗と買いが先行し連日で昨年来高値を更新。東京精密(7729)、東芝(6502)、富士通(6702)・・など高値更新がぞろぞろ。ちなみに、「TOPIX業種別株価指数で電機株は6年連続でTOPIXに対しアンダーパフォームしていることから、株価は水準での出遅れ感がある」との指摘が一部にあった。また、ドイツ証券のアナリストでハイテク株の見方に定評がある佐藤文昭氏は、5日付けのレポート「世界ハイテク・半導体株見通し」で、「1月まで株価下落リスクは小さく、やや強含みの推移か」としており、「1月半ばから発表される決算のネガティブサプライは少ないとみられる」と指摘する。また、5日から米ラスベガスで開幕した家電見本市で85型液晶テレビを展示する本欄市場体温計候補ソニー(6758)をCSFB証券アナリストは「2006年は飛躍の年」とし投資判断を「強気」とした。同じ、家電見本市で、東芝は次世代DVDでソニー、松下グループが提唱する「ブルーレイ・ディスク」方式よりも発売日が早いうえ大幅に低価格な「HD DVD」を販売する(北米で、量販店向け廉価版で500ドルを割る2機種を3月に先行販売)と発表。2006年が2月のイタリア・トリノ冬季オリンピックと6〜7月のサッカーW杯ドイツ大会の2大スポーツイベント年であるだけに、家電各社の競争は一段と激しくなる。電子部品メーカーを含めもう一段上を睨んだ相場展開が予想されるが、10月以降水準訂正が進んでいることも計算し、あらためて中期注目銘柄を打ち出したい。

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◆一方、不動産セクターの下げが厳しい。といっても、筆者が最注目株とした東急不(8815)は、昨年大発会寄り付き429円から今年大発会に付けた90年6月以来の高値1219円まで株価は2.8倍化。04年の大発会236円からは5.2倍化した。それからみれば、高値から12%下げたに過ぎない。ただし、本欄は昨年12月30日号で「いったん外して、調整を待つ」としており、気になるのはやはり、<今年の大発会で15年7カ月ぶりの高値をつけた>こと。同社だけではなく多くの不動産株は同じ様に今年第1週に陰線を記録した。来週も軟調展開となると調整期間が長引くため、押し目買いは先延ばしとなり、慎重を要すると考える必要がある。このことは高値の時期は違うものの本欄市場体温計としているみずほFG(8411)など銀行株にもいえる。きょうは6週移動平均線に下支えられたが、日柄・値幅調整が必要だ。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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