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2010/08/18

◆日経平均は前日比78円高の9240円と3日ぶりに反発した。17日の海外市場はユーロが上昇し、商品相場が上げ、NYダウは100ドルを越えて上げるなどいい流れだった。米国で発表された景気指標では、住宅関連が明暗分けたものの、鉱工業生産などが市場予想を上回り、景気減速懸念が後退したとみた買いに企業業績好調をハヤシた買いが重なった。そして、東京市場では円が3日ぶりに小反落したことから、直近で大きく下げていたこともあって、輸出関連、素材・資源、金融関連から内需株まで買いが広がった。前日、日経平均が年初来安値を付けたことも、突っ込み狙いの買いや買い戻しを誘った。

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◆米国景気・株式市場動向が、日本株の方向を決定する流れが変わらない限り、東京市場の自力走行は不可能、とみてよい。ただ、日経平均指数採用銘柄の今期予想PERは17日現在で15.6倍に下がってきた。決して、割高感は無いはずなのだが、今日本株式会社の潜在成長力の低さを考慮すれば、15倍台に割安感は乏しい?今年3月に経済協力開発機構(OECD)事務次長は、G7の中で最も低いと予想。「日本の2011年−17年の潜在成長率は平均0.9倍」になるだろうと述べている。■もっとも、当分は、「沈まない太陽は無いが、沈んだ太陽は翌日には昇ってくる」はず。倒産や分けあっての市場退場が無ければ、多くの銘柄は「欠ければ満つる、満つれば欠くる」とばかりに、上げ下げ、横ばいのチャートを描く。当欄では、中・長期的に上昇基調にある銘柄で、下値支持線まで下げてきたところから、(常に、ロスカット価格を設定して)買いを入れていくことを基本としている。もっとも、期待は時として裏切られる。が、その時、リスクを最小限にとどめるために、ロスカット価格を設定、ロスカット価格を割り込んだ時には必ず反対売買を実施することとしている。

◆テラ(2191)がきょう100円高の681円ストップ高に買われ、ストップ高比例配分で買い注文を残して終った。当欄では、7月27日号で紹介し始めた銘柄だが情けないことに、株価の動きにほんろうされてきた。自ら調査する時間が乏しく、知友アナリストの話を基本としたことから、今ひとつ乗り気でなかったためだ。もっとも、ストップ高といっても、7月27日は1020円だった。下げのきっかけは7月30日に今10年12月期単独業績予想の大幅減額修正を発表したこと。一方、きょうのストップ高は、17日付け日経産業新聞が「テラはがん細胞を攻撃するリンパ球の増殖を促す働きを追加した免疫細胞療法の臨床研究を、東京慈恵会医科大学と共同で始める」と報じたことを材料視した買いが広がったもの。また、北海道大学がHPで17日に「遺伝子病制御研究所は、人工がんペプチドワクチン療法で抗がん効果実証」などと発表したことも手掛かり材料視された。北海道大学では8月22〜27日に神戸で開催される国際免疫学会シンポジウムでこの研究成果を発表する予定とある。テラはこのプロジェクトに参画している。新療法はリンパ球の増殖を促し、がん細胞への攻撃効果を高める。テラによれば、もっとも高い効果があるのは、すい臓がんと胆道がんという。■あと、26週線が下支えする雪国まいたけ(1378)、26週線を上抜いてきた日農薬(4997)、52週線割れを買い場としてきた日ケミコン(6997)もウォッチングしたい。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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