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2012/10/12

◆日経平均株価の指数としての欠点が浮き彫りとなった1日だった。この日、日経平均は前日比12円(0.15%)安の8534円と4日続落し、7月26日以来の終値安値となった!欧州株高、円高一服を背景に輸出、金融、素材関連などがリードし225採用銘柄の82%の184銘柄が上昇した。しかし、「ユニクロ」を展開するファストリ(9983)とソフトバンク(9984)のわずか2銘柄が!大暴落し指数を130円弱押し下げたのだ。この2銘柄が前日並みの終値だと逆に120円弱高かったことになる。ソフトバンクは米携帯3位、5位企業の買収報道を受け資金負担が懸念され、ファストリは前日発表の今2013年8月期業績予想が市場予想を下回ったとされ成長懸念が広がったもの。

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◆一方、TOPIXは4.37ポイント(0.61%)高の718.32と4日ぶりに反発した。特定銘柄の株価動向に左右されにくいことから日経平均株価とは違って、値上がり銘柄数が5割(値下がり銘柄数は39%)を占めたこともありプラスに転じた。全33業種中28業種が上げ、ソフトバンクが属す情報・通信やファストリが属す小売など内需関連5業種が下げるにとどまった。TOPIXは時価総額ベースの指数だが、日経平均株価はNYダウと同様に単純平均株価指数であり、値嵩株に先導されやすい指数だ。ソフトバンクの終値は前日比486円安の2395円だったが、過去に1株を3株とする株式分割を実施しており、日経平均指数算出時には終値の3倍で指数内のウェイトを換算した7185円がこの日の「みなし株価」となる。結果、ファストリ、ファナック(6954)に次ぐ「みなし株価」ランキング第3位となり、この日、ファストリとともに日経平均を大いに下に引っ張ったのだ・・。しかし、東証株価指数(TOPIX)が主流になれず、今も、凸凹はあっても日経平均株価が指標としてなじまれているため、当欄もTOPIXよりも日経平均で語っていくしかない・・。

◆当欄でチェックしている卸売トップの三菱食品(7451)は9日に2200円まで上昇し、1月27日の年初来高値にあと2円と迫った。が、きのうきょうと2日連続で大幅安し計287円下げ1893円引けとは、トホホ・・の世界だ。なぜ?三菱UFJMS証券のアナリストが11日付で、目標株価2000円は継続したが、営業利益予想を減益見通しに減額し、投資判断を「アウトパフォーム」(強気)から「中立」に引き下げたことが材料視されようだ。7月安値1700円処から逆行高し年初来高値が目前となっていたこともあって売り急がれともいえる。同社株は昨年も9月の2240円水準から10月第2週にかけ1700円台後半まで急反落している。今回も、11月まで様子見?日本の流通を支え、儲ける仕組みのCCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)を支える卸売業のキャッシュ創出力が市場で話題になるには、もう少し時間がかかると知友アナリストはいう。あわてず、ウォッチングを継続。1900円を中心とした三角保ち合いから上放れる時を待とう。●マクドナルド(2702)は4月高値から上値が切り下がる格好となっているが、09年3月以来52週線が下値サポートラインとなっており現在も上昇基調は崩れていない。結果、ここから「三角保ち合い」上下どちらに振れるか、触れた方に付いていくべきか・・。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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