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2007/08/08

◆2月の中国発の世界同時株安はいわば前哨戦といえる。しかも、世界の投資家には閉じられた市場だった。では、今夏の米国発、世界同時株安は?もともと、米住宅ローン問題は、バブルだと誰もが指摘していた問題だ。しかも、絶対金額は多いとはいえ、米国経済から見れば、マスコミが騒ぎ立てるほどの国を揺るがす規模にない。90年代前半の日本であったバブル崩壊後の住専問題は、国の対応力のなさが問題で、事が大きくなったきらいがある。確かに信用力の低い個人向けのサブプライムローンから倒産金融機関が出ているが、一部のヘッジファンド・銀行ではなく広範囲の信用収縮に至らない限り、<世界同時株安ではなく、通常のサイズの長期もしくは中期波動における株価調整だ>と見るべきであろう。

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◆日本が80年代央からの土地バブル期に低金利を放任し続け、89年5月に初めて日銀利上げに踏み切り、それまで野放しにしていた公定歩合を90年8月までに2.5%から6%まで一気に引き上げ、オーバーキルの状態を作り上げた。日本の住宅価格の値上がり率は米国を大きくしのいだ。一方、米国は04年6月から06年6月まで2年間利上げを続けた。FFレートは4.25%の上昇を見ており、ぼんくら政府とは違った対応をしている。ヘッジファンドなど「ファンド主義」の弊害はあるが、

◆日本市場では、外国人投資家は7月第4週に2870億円売り越した(3市場、1・2部、総合証券60社)。直近でも売り越し傾向が続いているという。が、年初来7.39兆円を買い越している。足元、原油、貴金属、非鉄の一角、穀物の一角で軟調展開となっているのを、ヘッジファンドの撤退とする見方があるが、それは限定的なレベルの事実であって、調整の範囲内と見るべきか。

◆さて、世界あるいはアジア市場の中で自力走行できていないのは日本市場であろう。ジャスダック市場はきわめて低水準の出来高のなかジリ貧状態が続き、東証マザーズ、大証ヘラクレスとも指数発表開始以来の安値を転がり落ちている。日経平均株価は指数を人為的にいじっている感があり、今週央には、ここまで相場を牽引してきた鉄鋼、非鉄、海運、商社株が大きく売られ、坂を転げ落ちていた大手銀行株や保険、その他金融、空運株や、松下、シャープなどが買われた。通常ならば、<物色対象がガラリと変わった時が相場の潮目が変わったとき>になるのだが、さて・・。■原子力関連でトウアバルブ(6466)、帝国電機(6333)の波乱は買い場探しのチャンス。●第1四半期2ケタ増収3割超減益も中間期・通期2割増収19%経常利益予想を据え置いた大同特鋼(5471)は4月にW底を打ち、6月に52週線を上抜き、今週26週線が52週線を上抜くゴールデンクロスを示現。押し目買い!●名村造船(7014)は上場来高値2280円をつけた後、急反落に転じてしまった。が、高収益会社に転身、2000円相場の実力を評価したい。

◆ここまで、不人気組では、乗降者が増えて電車慢性遅延状態の東急(9005)の700円台買い、リバウンド狙い。●一方、上昇基調が続くナブテスコ(6268)は先に今3月期業績の増額修正を発表。航空機の油圧駆動装置も手掛けており、4期連続経常最高益更新見通しにある。再度の2000円台乗せで本格上昇相場が期待できそうだ。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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