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2009/02/27

◆週末かつ月末となった東京株式市場で、日経平均は反発。週足は3週ぶりに陽線となった。寄り付き直後に下げていた日経平均を押し上げたのは、この日取り引き開始前に発表された鉱工業生産指数のうち、製造工業生産予測指数で3月が2.8%の上昇と回復予想となったこと。市場では、先行き見通しにやや明るい兆しが灯ったと受けとり、きょうが月末ということもあって、先物主導で後場前半まで上げ幅を拡大する展開となった。

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◆週明けから3月相場がスタートする。08年度相場の最終月であり、企業は事業環境が悪いうえ、株価低迷に伴う評価損計上による収益悪化が迫る。もちろん、3月期決算企業の第3四半期決算の発表は終った。26日現在の日経平均予想PERは70.58倍と最悪状態となり、予想1株利益は105.67円にとどまる。1月30日時点では予想PER20.21倍、予想1株益399.55円だったから、この1カ月で1株利益は3.78倍に希釈されたことになり、PERは3.49倍化した勘定になる。

◆株価チャートは依然厳しい。が、1月初めの戻り高値以降の大幅下落で業績悪化は相当織り込まれたとみてよい。あとは、「企業の1株益が積み上がり、225種予想PERが下がっていけば良し」である。が、ことは簡単ではない。企業の来期業績予想も厳しいからだ。今のチャートからは、「戻り売り」を中心とした戦略を取らざるを得ない。結局、投資家は、何度もだまされ続けるなか、世界景気、そして、日本景気の先行きに明るさが増し、上昇基調を鮮明化する日を待つか、戻り相場での「売り」を繰り返すしかないのかもしれない。ただ、過去10年間の平均では3月末に向けた上昇相場となっている。そして、「年度末の"掉尾の一振"」を期待する声が株式評価損を抑えたい企業から聞こえてくる。が、結果は1カ月後にしか分らない。

◆25日に紹介の東京エネシス(1945)は長期を見る月足ベースでは、一目均衡表で「雲」と呼ばれる抵抗帯の下限にちょこっとばかりタッチしたところであり、これから900円超にある「雲」上限をクリアしてはじめて、長期相場の上昇基調入り確認となる。しかし、4カ月連続の月足陽線で、超長期線の24カ月移動平均線をクリアしている。「押し目は買い」で臨みたい。下値のメドは、24カ月線が721円台に控えており、600円台後半には週足一目均衡表「雲」上限が控えている。瞬間、この水準まで突っ込んでくれれば申し分ないのだが。

◆介護関連株はこの日、7銘柄そろって上昇した。メッセージ(2400)は2月いっぱい1万2000円台固めが続き、ケア21(2373)は調整が3週続いた、そろそろか。ロングライフHD(4355)は25日線タッチから3日続伸し、3月は20日以来の2万台回復を目指す構え。ニチイ学館(9792)は昨年5月以来の1500円台相場が続くが下値は切り上がっており、「突っ込み買い」がベターであろう。株価400円台の日本医療(9652)は450円台から500円を目指す格好となっている。いづれもあわてず付き合っていきたい。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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