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2006/07/14

◆13日から14日にかけ世界同時株安の連鎖が広がっていった。米国株は、ハイテク株を中心に業績への懸念が広がる内憂とイラクの核問題の国連安保理への付託接近やイスラエルによるレバノン侵攻の地政学リスクに対する懸念が重なり、大幅続落した。欧州市場はただ右にならえばかりに下げで同調。14日も昼過ぎにかけ下げ幅を縮小する場面もあったが、午後に入り再び失速の気配。日本はといえば、午後1時半ころに日銀が「ゼロ金利政策を解除した」と伝わったものの織り込み済みとの見方が多く、3連休控えもあって、大引けにかけ売り直され。本欄では、前日号で「ゼロ金利政策が解除され、公定歩合などが引き上げられる。昨年暮れからのひとつの宿題が解決したのだ。金利のある時代へ復帰したことは、悪材料出尽くしともいえる」としたが、世界同時株安の様相を呈していることが投資家の買い意欲を削いだ。世界の投資マネーは「地政学リスク」の非難場所を株式市場ではなく、原油、通貨、非鉄・貴金属など国際商品中でも原油先物市場に求めているのだ。来週から徐々に本格化する第1四半期(4〜6月期)決算発表の動向、つまり、企業は増額修正に踏み切るのか、減額するのかその方向性が注目される。

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◆平均株価は、日足ベースの場合、200日移動平均線を超えたところが売り場となり反落した。一目均衡表では週明け、「雲」と呼ばれる抵抗帯の中に突入する。上限は19日以降1万5804円まで下がってくる。下限は18日の1万5379円から週末21日には1万5063円まで下がり、再来週末28日には1万4874円となる。■週足ベースでは、52週移動平均線が下支えしてきたが、今週の終値1万4845円は52週線を133円だが下回った。一目均衡表では今週末に雲の上限を8円下回った。来週から上限が1万5000円台に乗り週をおうごとに上昇していく。一方、下限は当分1万3700円台で下値サポートラインとなる。

◆さて、元気が出る話をひとつしよう。世界は政治、経済、軍事、外交、スポーツ・・同様に株式市場もまたいやおうなしに米国中心に回っている。その米国株は、もともと「中間選挙の年である今年はダメ」で、「中間選挙の翌年、つまり、来年は上がる」と過去のデータがいっているのだ。<これまで戦後15回の中間選挙があり、その翌年のダウ平均は全勝かつ上昇率は16.8%のパフォーマンスを得ている!>米国は04年6月から連続17回利上げを実施したこともあり、株価はこれまでボックス相場の域を脱しきれなかった。が、その分、現在の予想PERは14倍台と低く、発射台として十分低いことから、上昇余地は大きくなる!

◆当然、米国株が底入れ、反転に向かう時は、日本株ではハイテク株、自動車株から銀行、証券の金融株など主力株に注目した。NTT(9432)、みずほFG(8411)から、海外巨大ファンドがM&Aで動くターゲットとされた銘柄まで何が飛び出すか分からない。軸足となるセクターが分かるまで試行錯誤が続きそうだ。●13日に決算を発表した不動産ファンドのパシフィックマネ(8902)は不動産株続落にあおられたうえ信用期日売りもあって大幅安、年初来安値を更新した。が、本欄は引き続き買い場を探しの銘柄とする。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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