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2007/09/07

◆7日、前日の「いい感じ」で終った新日鉄(5401)の動向が注目された。が、結果は無残。6日の米国株高、前日の同社業績増額・中間配当増額修正発表にも、結果は、じり安で25円安の789円と急反落。週足陰線で終った。前日は新日鉄の踏ん張りが、日経平均株価の引け高につながった。が、新日鉄が後退戦に入ったとなれば、全般相場は、ディフェンシブストックの薬品株や(6日のNY原油先物が5週間ぶりの高値となったことが手掛り材料となった国際帝石HD(1605)などの石油開発関連株が堅調だったほかは、年初来安値更新組が続出の不動産セクターを筆頭に、買いが見送られるなか、週明けに期待を持つ材料を見出せないまま終った。■新日鉄は25日移動平均線に頭を押さえられ、その勢いは2日と持たなかった。日足ベースで残る下値サポートラインは776円にある200日線のみ。週足べースなら720円の52週移動平均線だけ。<ここ新日鉄の1日足は日経平均の1日足とほぼ似たチャートとなっており、新日鉄を見れば日経平均が分かる>。大きく上げたか下げてしまったか、それとも逆に少し下げたか上げたかも分かってしまう相場が続いている。■アジア15市場星取表は、7勝7敗1休場だが、東アジアは台湾がわずかに上げたほかは下落、中国の下げは2%を超え、インドも下げた。

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◆そして、7日に発表された注目の8月の米雇用統計で、非農業部門雇用者数は市場予想を完全に裏切る4年ぶりのマイナスだった。結果、景気減速懸念が一段と高まり、NYダウは250ドル弱下落し週足陰線で終った。ドルが売られ、日本円は115円台から一気に113円台前半まで急伸した。18日のFOMC(米連邦公開市場委員会)での利下げとその後の市場の反応がポイントになる。■東京市場では14日の先物・オプションのSQ(特別清算指数)算出日を控え、一段と様子見気分の強い展開となりそうだ。再び、世界同時株安懸念、円高懸念から、「9月第3週の東京市場二番底打ち」との見方は崩れ、8月17日安値更新懸念が市場を暗くしそうだ。

◆大和総研では6日、主要300社の2007年度業績予想の修正を発表。経常利益は前年度比9.9%増で、6月発表の7.8%予想を上方修正した。円高による業績上ブレ期待が後退しているなかではいい報告といえる。■しかし、需給の悪化は否めない。欧米同様に東京市場でも銀行株が下げ、その他金融株とともに昨年初からの下落基調が止まらない。不動産株もまた日経平均と同様に先月終値こそ24カ月移動平均線へのプラスかい離を回復したが、9月に入り再びマイナスかい離を拡大している・・。

◆今週、他メディアで推奨した銘柄は等方性黒鉛関連の日カーボン(5302)、赤坂鉄工(6022・東2)、イーグル工(6486)、日精線(5659)だった。あえて、新規売り銘柄は出さず、積極買いとした。●日カーボンは週足陰線で終ったが75日線が下値に控えており、週明けでこれを割り込まなければ突っ込み買いとしたい。●原子力関連株のイーグル工は600円台後半のもみあいから上値をにらむ格好が崩れた場合は下にモロそうだ。●船用エンジンの赤坂鉄工は連続週足陽線で終り、今週、92年2月以来の高値を付けたばかり、●日精線は三角持ち合いからの上振れに期待も75日線を大きく割り込むようだと見切りも必要か。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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