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2009/09/15

◆日経平均前日比15円高の1万217円小幅ながら3日ぶりに反発した。14日の米国株が小反発し、S&P500種指数はほぼ1年ぶり高値を付けた。そして、東京外為市場では一時1ドル=91円台を付けるなど円高が一服したこともあり、買いが先行。前場後半に下げに転じる場面があった後は、概ね1万220円挟んだ小動きで終始した。■14日の米国で目を引いたのは、オバマ大統領が中国製タイヤに対し緊急輸入制限(特別セーフガード)として、上乗せ関税を実施すると発表したこと。これに反発した中国がどう動くか、米中間の貿易摩擦が懸念されたこと。同日は、NY原油先物、金、銅、3大穀物など商品先物相場が揃って下げた。

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◆日経平均は前号で記したように、「一人勝ちの一握りの企業を除き、内需株がどうしようもなく弱いうえ、外需は円高進行で厳しい状況が続く。円高メリット関連株をハヤス動きは乏しく、模様眺め気分の強い展開から離陸できないでいる。当欄でも、現在は、東京市場は積極的に買い推奨する状況ではないとの見方を継続している。残るは、個別注目株を継続的にみていくことしかない!」。しかし、「売り」のサインが出ているわけではない。依然、8月21日の直近安値1万142円を大きく割り込んではない。また、7月13日に瞬間割り込んだ後、再上昇していったときの下値サポートラインである75日移動平均線は、下値を支えようと身構えている。ただし、明日、8月安値を割り込み、75日線を大きく割り込めば、相場は、値幅調整に入ったとみたほうがよい。

◆昨年12月に新規上場の交流・ゲームサイトを運営するグリー(3632)は値幅調整を挟みつつ新値追いが続いている。10日付けの日本経済新聞朝刊が、コラム「逆風に負けない好調企業の実力」第1回で同社を「携帯サイト会員が急拡大。課金モデルで高成長率」との見出し付きで紹介したことから、見直し買いが一気に広がった。全般相場は値動きが乏しいだけに、まだ、評価の定まっていない好材料銘柄は最も手掛けやすくなる、との鉄則は今も生きている。腕に覚えのある投資家向き。

◆電機セクターで一押し銘柄の日電産(6594)は7月下旬に年初来高値7000円を付けた後、今月11日に再度7000円を付けたものの、円高に邪魔され6000円台後半からの脱出路を探っている。下値は6週線と13週線が下支えしており、75日線や26週線はその下をゆっくりと上昇中だ。2カ月近い高値ボックスを抜けるには、全般相場が堅調展開に転じることが必要だが、独歩高も可能な銘柄としてウォッチングしよう。

◆相場の流れが変化する時は、当欄で強気しているバイオベンチャー株や介護関連先駆株には利益確定売りが出やすくなり、急反落に転じることがある。このことは留意して欲しい。そんな中、大学発3バイオベンチャーのうち、そーせい(4565)は年初来高値圏で推移、昨秋の急落直前の水準まで戻ってきた。ここから、波乱があっても、中長期上昇基調入りを再確認する「時」はそう遠くなさそうだ。

◆介護関連では、主戦のニチイ学館(9792)が続落。75日線を割り込んで終った。75日線を巻いて下げ止まるよりも、もう一段下にある26週移動平均線まで下げた後、日柄整理を経て、出直ってくる「絵」が見たいのだが。

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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