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2008/10/08

◆日経平均株価の値下がり率は9.38%と過去第3位の激震となった。1万円をかろうじて上回って始まった8日の相場だが、1987年の「ブラックマンデー」の14.9%下げ、1953年の「スターリング暴落」の10.0%に次ぐ史上第3位の値下がり率9.38%を記録、952円安の9203円で終った。前日7日は東京市場が引けにかけ下げ幅を縮小する展開となり、続く、欧州、米国市場に後を託した。欧州市場は金融不安が濃くなるなかも主要国相場はまちまちと踏みとどまった。しかし、米国市場では、ここに至っては「金融安定法」追加の第2弾が不可欠といい、かつて、バブル崩壊後に日本が実施した「公的資金の注入」を求める声が高まる中、大幅続落。NYダウは5%超の大幅下落で5連敗した。9月29日の777ドル安で下落基調入りが鮮明化、翌日は急反発したが、29日からの下げ幅は合計1696ドル、15.2%に及ぶ。

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◆8日付けの日経新聞朝刊は「トヨタ自(7203)が今09年3月期連結営業利益は前期比約4割減の1.3兆円になりそうだ。米金融危機を受け自動車需要が世界的に減少している」と報じたことも、輸出関連株の警戒感を強めた。為替が1ドル100円割れと円高が進行したことも、売りを広げた。前日と違い、2度目の1万円割れのこの日は、引けにかけ下げ幅を拡大するジリ貧商状のまま終った。株安は「金融不安増殖・世界景気失速懸念」が濃くなった結果だが、この日は、株式含み損が膨らみ資金不足をきたしているヘッジファンドなど海外勢が換金売りを急いだとの見方もあった。東京市場で売買高比率が6割を超える海外勢が投げ売りしているのならば、日経平均指数採用225銘柄の今期予想PERは12.5倍とバブル期を経験した我々には信じられない低PERに落ち込むのもやむをえないか。もっとも、今3月期連結経常利益は減益幅が拡大する見通しにあり、来期も苦戦ならば、PERや解散価値を映すPBR(1株純資産)の低さに意味は無い。

◆現在、証券会社が証券営業をほとんど展開できず萎縮してしまっていることも、無気力相場の一因だ。昨年10月「改正金商法」が施行された結果、「官による規制強化」は一段と進んでいる。日本の証券&関連業界は沈没中?呼吸困難の状態に陥りつつある。一方、金融庁・証券監視委員会など規制勢力は人員を増やし続けており、「規模・勢力は拡大一途」だ。金融庁が掲げる「貯蓄から投資」なんて標語は見かけのみ。「株式の買いを顧客に奨めてはいけない、個人の推奨レターももちろんダメ、・・もしてはいけない、・・のダメダメ尽くしの世界と化している。「投資から貯蓄」へと標語を書き直すべきであろう。■日本の「株式の時代」は、日本の成長と重なり、「安保闘争が終わり、池田内閣が所得倍増政策を推し進めた1961年(昭和36年)頃から、バブル崩壊前年で株式先物取引がスタートした昭和の終り1989年春頃まで」、つまり昭和後半で完結したといえる。バブルがはじけた時、崩壊が始まり、いまだ上値が切り下がる長期波動が終っていない。後は、03年4月安値7603円がここから未来に向かう大底であるかを試す相場が続く?

◆当欄推奨株もひどいあり様。●CCC(4756)などがストップ安に売られ、●ユニチャペ(2059)は9月の最高値から1000円超安となり、●セブン銀(8410・ジャス)は月初の30万円台乗せで一息も頑強だが、どこまで踏ん張ってくれるか!?

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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